不健康
2日も陽の光を浴びていない。
それだとさぞかし、肌は生っ白くなっただろう。不健康のただなかに放り込まれる。
膝を抱えてうずくまる。
カーテンの隙間から、世間の喧騒を静かに聞き流す。
夜中に寝床から這い出て、潰れかけの銭湯で垢を落とす。伽藍の中から牛乳瓶だけが差し出されて、それを飲む。
冷や汗をかいた硝子瓶。
猫のように、厚い紙の蓋の裏を舐める。
そこでようやく、まだ生きていることを実感する。
埃をかき回すだけの扇風機。他に客はいない銭湯で、粗い木目を数えている。
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