第3話 薄明り
翌日、ラブコメ軍は比較的肌寒い朝を迎えた。秋から冬に移行する微妙な季節である。
「私小連隊長殿、霧の向こうに薄明かりが見えるとの報告がありました。敵なのか味方なのかは分かりませんが……」
文豪軍曹は歩哨だけではなく、斥候も用心深く出していた。その斥候からの報告である。
「今朝ようやく無線が繋がったのだが、連絡の取れなくなった我隊を心配した本部が、救援部隊を派遣したとの知らせがあった。その可能性もあるので、そのつもりで慎重に探索してくれたまえ」
私小連隊長は希望的観測を強く滲ませながら、そう指示をした。
通信が可能となると同時に、霧も微かに薄らいできている。
果たしてその薄明かりが、吉とでるのか凶とでるのか。
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