第19話

 マグ◯ット!ちゃんは語ります。


「webから生まれた物はwebの中で完結するべきなのよ。物語を創造し、物語を購入し、物語を読み、物語について話し合い、物語の感想を伝え、新たな物語の創生の糧とする。全てはネットの中で純粋に輪廻する事ができるわ」


 カク◯ムちゃんはマグ◯ット!ちゃんを指して答えます。


「違う! 断じて、違う! あなたは間違っているわ!」


 カク◯ムちゃんは伸ばした指先を戻して、拳を握り締めます。


「物語を書く人、それを支え編集する人、書籍をデザインする人、印刷する人、製本する人、運んでくれる人、買ってくれる人、読んでくれる人、仲間と物語について語り合う人、別のメディアで物語を表現しようとする人、それら全ての人達が携わっていてこそ文化であり……」


 カク◯ムちゃんはマグ◯ット!ちゃんに向かって叫びます。


「それが文学への愛よ!」


 二人の間に、しばしの沈黙が訪れました。


 やがて、マグ◯ット!ちゃんが静かに口を開きます。


「これを書いている作者は、そんな大それた事を本気で考えていないと思う。BO★K☆WA★KERのブラウザサイトで成人向けの電子書籍ばっかり購入しているし……」

「……そこん所は同意するわ」


 カク◯ムちゃんは真面目な顔をしたままで、そう答えました。

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