第13話

 あれから、しばらくの時間が経ちました。


「では、改めて……こほんっ」


 魔王の少女は棒読みの台詞で、わざとらしい咳払いをすると、棒読みのままで高笑いをします。


「ゲボハハハハハハ!」

「「「「えぇ〜!? 散々、悩んだ挙句に辿り着いた笑い方が……そこ?」」」」


 カク◯ムちゃんたち四人は、一斉に同じツッコミを入れました。


「こ、この方が支配者らしい雰囲気が出ているかな? と、思って……」


 灰色のおかっぱの少女は、少し照れながらも続けます。


「我が名はマグ◯ット!。web小説サイト界の四天王よ。よくぞ、参られた」

「四天王?」


 カク◯ムちゃんが怪訝そうな表情をしました。

 マグ◯ット!ちゃんは四天王の意味を答え始めます。


「この世界の先駆けであり開拓者である、な◯うちゃん」


 マグ◯ット!ちゃんに言われて、な◯うちゃんは照れ笑いをしました。


「小説のみならず、コミックの分野でもヒット作を世に送り出しているエブ◯スタちゃん」


 褒められたエブ◯スタちゃんは、まんざらでもない様子です。


「投稿インセンティブ機能の報酬制度による利益の還元で投稿者に寄り添うアル◯ァポリスちゃん」


 アル◯ァポリスちゃんは自分が認められた気がしたのか、少しだけ嬉しそうです。


「そして、四天王最弱のカク◯ムちゃん」

「誰が面汚しだ! ゴルァ!」

「カク◯ムちゃん、そこまで言われていないってば……」


 怒り出したカク◯ムちゃんはマグ◯ット!ちゃんに殴りかかろうとしましたが、な◯うちゃんが慌てて止めに入りました。


 マグ◯ット!ちゃんは階段の上からカク◯ムちゃん達を冷たい……いいえ……何も考えていなさそうな瞳で見下ろします。


「我は魔王ではない。崩壊の危機に瀕しているweb小説サイト界を新たなシステムで救う為に降臨した。新世紀の神なのだ!」


 マグ◯ット!ちゃんは顔を上に向け、両手を拡げつつ挙げると、得意そうにドヤ顔しながら微笑みます。


 他の四人は目が点になってしまいました。


 エブ◯スタちゃんが呟きます。


「なんなんだ、こいつは? 新世紀の神とか……悪魔と契約して変なノートでも拾ったのか?」


 カク◯ムちゃんが冷静に答えます。


「じゃあ結局、悪者じゃん」

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