第4話
びしぃっ!
な◯うちゃんはカク◯ムちゃんを指差します。
「だいたい、カク◯ムちゃんは異世界転生や転移を目の敵にし過ぎじゃないの!?」
「えー? そんな事ないよーぅ?」
カク◯ムちゃんは、へらへらと笑っています。
「だって、この間もノベ◯ゼロちゃんが異世界転生禁止コンテストなんて。していたじゃないっ!?」
「だって、あれは……大人の男性読者向けって括りだったし……」
「異世界転生の物語が、お子ちゃま向けだって言いたいの!?」
(そうやって、な◯うちゃんがムキになる所が、お子ちゃまだっつーのよ……)
カク◯ムちゃんは、そう思いましたが口には出しませんでした。
「わたし……カク◯ムちゃんのお父さま(本社)に頼まれて……各レーベルちゃん達に珠玉の異世界転生と転移作品をいくつも紹介してきたのに……」
な◯うちゃんの両目から大粒の涙が、ぽろぽろと零れ落ちていきました。
(あ……やべー、泣かしちゃった……)
カク◯ムちゃんは心の中で、ほんの少しだけ反省します。
「カク◯ムちゃんは異世界ファンタジーが……私の事が嫌いなの?」
な◯うちゃんは寂しそうに上目遣いでカク◯ムちゃんを見つめました。
カク◯ムちゃんは飛びっきりの元気な笑顔で、な◯うちゃんを安心させるように言います。
「そんな事ないよ、な◯うちゃん! 私、異世界ファンタジーが、だぁい好きっ!」
(儲かるからね……)
身も蓋もない事を考えるカク◯ムちゃんでした。
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