失楽園のネクロアリス ‐Garten der Rebellion‐ (完)
作者さま:雪車町地蔵(そりまち じぞう)
キーワード:SF ポストアポカリプス バトル サイバーパンク ネクロマンサー
あらすじ
世界には珪素と重金属が満ちていた。きびしい環境の中、人類は〝神樹木〟と呼ばれる木々に頼り各地に小さな集落を作って生き延びている。それらを渡り歩く2人組の旅人。男は死者になった少女を蘇生させるため、邪魔ものたちを薙ぎ払いながら前に進み続ける!
感想
美しくも退廃的な世界観、ギミック満載で迫力ある戦闘、雰囲気たっぷりな言葉選び……一言で表すなら「かっこいい!」。
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「第一幕から、第二幕までの開帳を承認」
「
暴風。
或いは
しからば暴力。
それは、どんなものよりも雄弁な力の行使であり、美しき舞踏であった。
~~~
左腕一本で棺桶──集合可変兵装たる
再びモノクルがちかちかと明滅し、最適な数値を算出する。
距離、質量、弾頭材質、加速度、反動──そのすべてが棺桶の中に転送されると、棺桶に変化が起きた。
CRAの足元部分が半分に割れ、上下に展開。
後半部分は、十字形に似た排熱器官を露出し、
さらにいくつかの配線機関が地面へと突き刺さり、管理者のいない神樹木自体から無理矢理に電力を奪取する。
電磁インパルスの収束。
充電が終わると同時に、彼は狙いを定めた。
「……これは、骨肉ではなく
さきほどまで目を通していたハードカバーの一節を、彼は囁くように
そして、モノクルがGOサインを出した瞬間、躊躇わずに引き金を引いたのだ。
刹那、膨大な電力が収束し、弾頭に荷電──射出される。
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くぅぅ! 好きです、こういう設定! 棺桶型武器庫、変形ギミック付きとか燃える!
やや難しく大げさな表現が多くて中二病っぽくはあるけど、薄っぺらくないのは作者さまが確かな文章力をもっているからでしょう。こういう文章って下手にやりすぎるとゴテゴテしてるだけになりがち。それ対し本作ではちょうどいいバランスに保たれています。
世界観・設定に美しさがあり、絵になるシーン多数。ポストアポカリプス&サイバーパンク、読んでると脳内にイメージがわいてきますね~。
ストーリーも登場人物が少ない分だけ軸がはっきりしていてテンポ良し。お互いの意思と意地がぶつかり合う熱い展開。愛しているからこそ譲れない! 終わり方も作品の雰囲気にはぴったり。
全体を通して作者さまの思い描く「かっこよさ」「美しさ」が強く伝わってくる物語です。
状態:完結
文字数:112,331文字
個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
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