Jail Fragment
作者さま:木古おうみ
キーワード:犯罪者 超能力 怪奇現象 連作短編
あらすじ
怪奇短編集。不思議な力を持ち強烈な殺人事件を起こした囚人たち。彼らから依頼を受けたカウンセラーの断片的な記録。謎めいた能力とそれによって生まれる人間ドラマ。
感想
作者さまの想像力にうならされますね。不気味であり不思議。毎回よくぞアイディアを思い付くものです。
私が特に好きなのは第1話の「オーバーキル」。引用すると、
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898を囚人番号で呼ぶ者はぼく以外いない。本名で呼ばれることもない。ひとびとの話題に上がるとき、彼は「オーバーキル」と呼ばれる。
事件と無関係の人間や女子どもをも容赦なく爆殺したから、というわけではない。彼が起こす爆発は、犠牲者が多すぎるのだ。
898が爆破した現場の遺体を繋ぎ合わせると、必ずひとり余分が出る。まるで別の絵から迷い込んでしまった、決して当てはまることのない、ジグソーパズルのピースのように。
そして、余りの犠牲者は必ず、爆発に巻き込まれるはずのない人間だ。あるときは第二次世界大戦中のドイツの軍服を着た脚が、あるときは根絶された天然痘のあばたが散った腕が、あるときは原人としか思えない骨格の顎が、瓦礫の山の中から見つかる。彼の爆発は、場所を越えて、時代を越えて、殺しすぎるのだ。
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爆発に謎の犠牲者が混ざる! ほんと良い発想。検死をした人たちは混乱し恐怖したはず。想像するとゾクゾクしますね。
でも、こういう世界観だと1番やばいのは捕まってない奴らでは……!? 刑務所に入ってる時点で割とマシっぽいという。
作者さま曰く、ネット上のホラー創作コミュニティ「SCP」
を参考にしているとのこと。確かにそんな感じ、SCPが好きな人は間違いなく楽しめるでしょう。
作者さまの想像力とセンスに引き込まれる短編集です。
状態:連載中
文字数:26,085文字
個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
◎ 高い完成度!
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