第11話「静止した闇の中で」

エヴァンゲリオンの各話には英語で副タイトルがついていて、

この11話に関しては

「The Day Tokyo-3 Stood Still 第3新東京市の静止する日」

となっている。

 これは間違いなく地球の静止する日から来てるんだろうけど、って書こうと思ったらしっかりwikiの脚注に乗っていたので、全然ドヤれないなあと思った次第である。


問題はこの話に掘り下げるほどの何かがないということだ。

 一応簡単に話を書くと、


 ある日ネルフ本部は全施設が停電してしまう。

 その間にマトリエルという、おそらく劇中の最弱の使徒が訪れるのだが、それを3人の協力プレイで何とか倒すというものだ。

 何が最弱ってパレットライフルをちょちょっと撃っただけで倒されてしまった。


 このときエヴァは停電のために、いつもの射出口からズドーンっていう登場ができずに、使徒の真下から攻撃を仕掛けたために多少の苦戦をした。あの使徒はもし、ネルフが停電せずに、エヴァがいつも通りに登場していたら、どうやって戦っていたのだろうか。(マトリエルは、真下に溶解液を垂らすという攻撃しかしていなかった)

 もしかすると真横に対してはビーム攻撃とかできたのかもなあ。

 というつっこみだしたらキリがないかなC使徒、それがマトちゃんなのだ。


 はっ、ハイロック氏ここで思いつく。

 ずっと擬人化小説のネタを考えていたのだが、この際、使徒を美少女化してはどうだろうか……やりつくされてる感じしかしないけど。


 さて、エヴァ3体の協力プレイをもう少し見ていく。構図としては、マトちゃんの溶解液攻撃のまさに真下からエヴァ3体は現れる。この際、ライフルを、溶解液によってできたトンネルの底に落としてしまうのである。

 上からの溶解液攻撃を防ぎつつ、ライフルを回収して、そして、ライフルで攻撃するという必要が出てきた。

 一番大変な役はもちろん溶解液攻撃に身を挺して、ライフルや攻撃役を守ることだ。

 そして、これを2号機アスカが買って出るのである。


 マグマダイバーの回で、シンジは完全にアスカを救うナイトの役目を演じ、昭和ストーリーならここからアスカの恋がスタートしてもいいのだが、アスカはあっさりと11話でその地位を返上した形になる。

 守られっぱなしなわけにはいかない。劇中でも言ってた気がするが、受けた借りは返すのがアスカの流儀なのである。


 シンジとしては命がけで、前回アスカに対してマウント(優位なポジション)を取ったのに、今回であっさりとそれを返されてしまうというのはなかなか悲しいのではないだろうか。

 オタクとギャルという構造で見ると、忌むべきギャルという存在に対して、自分の理想の女の子像を押し付けようとするも、結局それは突き返されるという現実を突きつけてるようである。

 さらにいえば女の子は守られるべきものであるという、家父長制度の終わりを意味してるのかもしれない。男女同権への示唆、ちなみにJALがスチュワーデスをCAと表記を改めたのが1996年である。


 なんだ、結構この回重要じゃないか。


 そして当時のオタクたちを熱狂させたレイ様の最後のセリフ

「人は闇を恐れ、光を使い、闇を削り生きてきたわ」はハイロック少年もお気に入りフレーズである。このいかにも中2病的フレーズはもうたまらない。ますますレイファン度が上がっていく。

 そしてアスカが「てっつがくぅーー」と茶化すのだった。

 なんだこの女!とムカついた、レイファンは多かったと推察される。


 それにしても11話までをよく考えると、アスカファンになるような要素は一個もないのだが、世間はどこで逆転してしまったんだろうなあ。

 さて次回「奇跡の価値」に行く前にここで一度、1話目2話目に戻ろうと思う。

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