エピローグ
エピローグ 竜魂のゆくえ
「……で、どうやって降りたんだ?」
「
「でたらめ過ぎるわあんた……はー泣いて損した……ぐずっ」
「うう……ちーん……でも良かったよお……」
「
後に、第二次
「ええい、いー加減やめんか歩きづらい!
ぽいぽいぺい、と三人を放ったのはフブル・タワワト
「んで、後処理は?」
「お主はいっつもいっつも
「残っておったワイバーンも、
意地の悪い
「──今回はお主のおかげで助かった、アルヴィス。そこな三人もな。重ね重ねになるが、この国の
頭を下げた。三人
「重ね重ね?」
「お主がおらん間に
「よく
「あんたやっぱあたしに厳しくない!? 商売人みんな
「そーかそーかすごいすごい」
ぎゃーぎゃー言うレヴァを骨指で
「
「うむ、ハルベルちゃんの功績大として、
「でもめっちゃ
「当たり前じゃい。命知らずにも
後を
「私とレヴァはまあ、他の者
アルが指骨で
「ドラゴンスレイヤーが何言っとる。
当然、アンデッドに
「あっそー」ただ、本骨の反応としてはこうだ。指骨が
「軽!」
「だわな。元勇者だし。ま、この
フブルが
「へいへい。略式で
アルの存在しない視線が問いかけて、意図を一同が察した。ダイスだ。
「あれはのー……姉引き取ったらさっさと帰りよった。んで、『正体バラすな・
「さもありなん、だな」
実際のところ、ダイスの正体など明かしても王国にとって利点は何もない。人を積極的に害する意志がないと分かった以上、放置がベストである。姉に危険が
「じゃがまあ、何も無しというのもの。つう訳でアルよ、お主こいつ持ってってくれんか」
言ってフブルが机に置いたのは
「……これどっから出てんの」
フブルが「
「アルヴィス基金。名目上はドラゴン退治の補助。勇気ある行いであるゆえ、今は
「最っ悪。ヤダ。他の
「アルってダイス君のことになると子供っぽくなるよね」
「ワガママ言うでない。アレと対等に話せるのなんぞ
「王国貴族として
「良く分かんないけどあげたらいいんじゃないのー? パルムックでしょ? あそこ
「ぐぐぐ……くそう、寄ってたかって」
四人それぞれから説得を受け、アルが
○
そうして、パルムック村である。
「ありがどうございまずぅぅぅ~~~~~~! なんど、なんどお礼をいっでいいがぁぁぁあああ~~~~! 良がっだぁ生ぎでらじでぇ~~~~!」
「いや死んでるんですが。お姉さん。落ち着いて」
アルが村に入るなり、顔中から液体を散らしてルーラットが
(そーいえば、この人にダイス見つけてくれってお願いされてたんだった)
そういう事情の上、
《後で屋根へ来い》念話が飛んだ。
「ま……いいか」
村人のなま暖かい視線を受けつつ、
「ほれ。お
「いらん。持って帰れ」
屋根の上、月光と星空に照らされる中で、アルの予想通りの返事である。骨指が
「いらないなら村に寄付でもしろよ。
これに、ダイスは
「安心しろ。フブルさんも秘密は守るってさ。悪さすんなよ」
「ちっ、あの
「心配しなくてももう行くよ。ハルベルの資格も取れたし」
「
「うるさい。そもそも
問いかけに、ダイスは人間としての年相応のきょとんとした顔を返した。
「イザナだよ。お前と戦った時にもいたろ。黒服の。変な角付けた。何で忘れてんだ」
「あぁ……アレか。なるほど」
「
そうなのか、と意外な顔をする少年だ。
「とにかく、ちょっと
対象を
「知るわけが……いや、そうか、
「本当か」がしゃ、と勢い付いてアルが
「そう聞いただけだ。いるかどうかの保証はせん」
小規模の森部族ならばそこかしこに存在するが、国家規模、となれば大陸西方である。
「まーちっと遠いが、
アルは立ち上がりつつ、問う。ダイスが白骨を
「──
「今さら自分探しかよ」やや
「この転生、神の仕業ではあるだろうが。向こうの
「それにゃ同感だ。……殺しといてなんだが、精々ルーラットさんのため元気にやれよ」
「余計な世話だ。貴様こそうっかり
○
「そう言うわけで、西に向かう。一応最後にまた聞くけど、
「行きます! 行く行く絶対行く! 置いてったら泣くからね!」
食い気味に挙手してくるハルベル。アルは
翌日の王都、中央門前である。アルの出立に、ランテクート夫妻は後数日、と別れを
ハルベルも、先日の学園で学友たちとの別れは済ませていた。ちなみにゲルダが泣き、ペリネは母親かというくらい心配してきた。笑って送り出したのはダステルくらいだ。
「その、アル……」
おずおずとアルへ声をかけてくるのは、ランテクート
「君はどうする? 少し長旅になるぜ」
「──無論、付いて行きたい。だが、その前に一つ……いいでしょうか、アル
言われ慣れない
「な、なんでせうか」
「私を、
「は?」
ミクトラが
「従士って、領主様とか
ハルベルが両者を見比べる。
「いやいやいや。待ってくれ。君は
「そう思っていただけるのは本当に
「ですが、
「
「前例はありませんが、問題はありません。
「だってミクトラ、君こそ貴族……」
「ミクトラ・クートは
「従士の
「お許しいただけるなら、
ずばずばはきはき、迷い無く答えるミクトラだ。
(く、クソ真面目め~……!)
アルが
「…………ちらっ」アルは指骨の間からミクトラを見る。
「………………………………………………………………………………」
ガン見である。息も止めている。必死の目だ。それに、横で見ていたハルベルが先に根負けした。
「いいじゃん、何か変わることもあんま無さそーだし。アルがずばばーん! って
「君なあ、軽く言うけどさあ……」
そのまましばらく、ハルベルとアルがああだこうだ言い合う。その内に、
「……うっ」
ミクトラが軽く泣きかけていた。さらに、周囲になんだなんだと野次馬も
「あーもう分かった! 従士にでもなんでもする! でも
音を上げた。目にも止まらぬ速度で神聖
「あ……ありがとうございます!」
「良かったねミクトラ! あたしは友達同士のまんまでこれからもよろしく!」
「ああ、
今度はアルが
○
「かっかっか。
それを、王城より遠見の
「
西方ならば
「王国外ともなるとフォローも大変そうじゃが……まあ、
絶対に何かやらかすという
「いずれまた、このような──」
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