五章 勇者、久しぶりに竜殺しに挑む(2/6)
○
「おら、行くぞ。
「あ、ああ……」
王城裏口。黒一色の衣服に身を固めた男を前にして、ミクトラはやや
「あん? どっかで会った……ああ、あの骨
そう言う男の昔の名は、ガルムと言う。かつてはミクトラの
名声の裏で働いていた悪事の数々をアルにより暴かれ、
二人は馬に乗り走り出す。後から
「
ミクトラもガルムの高名は知っていたし、アルとの決着後ではあったが会っている。
「死んだぞ、書類上はな。今の名前は『
「『
それは
「あまりいい
「登用ね」男は
次の
「悪いか」
「ああ、気に入らんね。女なら次男三男の
「何を好き好んで、か……。そう言われれば返す言葉は一つしかない」
「あん?」
「勇者様だ」
「あぁ……そうかい、そうかい。──やんなるね」
それを見た黒ノ八は重い
○
「
戦略が決まり、王命の
「す、すごいのあるんですね……」
「むははは、すごかろすごかろ。ほんとは立ち入り禁止なんじゃから!
「あ、わーい」
「
「
雑に説明して(「いや
「もうあと数時間というとこじゃ。
そう言って、フブルが再び、指示出しに
「あやつが心配かの?」
背中を向けたまま、フブルが言う。ハルベルの口内で、
「………………………………はい」
やっとのことで、ハルベルは返事をする。
自分が何を言えるだろう、と
(旅で、アルは何度もフブルさんの話してた。
そんな風に
「ま、しゃーない。アレがどう出るかなぞ、分かりきっとったことじゃのにな」
それはハルベルにも
「──ああいうひとですよね」
「そういうこっちゃ。アレに
「はい。そんじゃ、ちょっと
ててて、とハルベルが
「
○
王都は
(ハルベル
人々が
人々が急ぐ中、白骨へと視線を注ぐ。
「ありゃ、
「お、おい、あんたもやるのか」
「やるよー。ま、
歩く人骨──アルが軽く骨腕を上げる。その細さに、聞いた王都民が逆に不安そうに
「む、無理すんなよ! 命あっての物種だぞ!」
言って、
スケルトンは
「もう死んでるって。──しかし、やれやれ。心配されちゃったぜ」
アルの命があった
「死ぬのも悪いことばっかじゃない」
そうして、元勇者の骨は門をくぐる。もうしばらくすれば、正面門は閉められる。
「新っしい、自分~、っと」
流行歌を
アルの足先が迷わずその方向へと向いていく。射程ギリギリまで王都から
「んー、
アルとしてはどうにかして引きずり下ろしたいが、ワイバーンならまだしも
「その辺はフブルさんに期待したいなあ……じゃないと死ぬ。死んでるけど死ぬ」
ぼやきながら。
「うわ、案外早かった」
それは王都
「うし、この辺りだ────なッ!!」
外門から一キルほども
「
戦場を作り出したアルが、キリッ! と言いつつ骨手をぷらぷらと
「ぬっふっふっふ。んじゃまあ、やりますかね」
アルはくるくると
「
空を、
「────」
当然、コキュトーの方からも、
だがそれが地面を
「この
羽虫を
「痛ゥ……! この、虫が」
ドラゴンブレス。
その大量
王城から、
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