四章 骨勇者、神への供物をクエストする(4/4)
「若者が好む
「良かったね、ペリネ~。ハルベル
「だ、
「は、初めまして! ミクトラ様!
「ダステル、口調まで変わってるんだけど」
「あ、ありがとう。いや、最近の功績を言われると私は
やいのやいの
「
「まあいいだろ、たまには若い子の食うもんも。なあ千数百
「ほお、
ちき、と
「ゲルダ的におすすめある?」
「そうですね~、今から行こうと思ってた『ゲングナール』のチョコクレープかな?」
数分後。
「これは……ガレットではないのですか?」
「
最近になり、簡単な包みで手に持つ方式が考え出され
「む、むむ……これは……」
ひょいぱくひょいぱく。ヴァルクがクレープを
「
「おいしいね~」「ほわあ、チョコって初めて食べた」「
目を
「ダステル君は食わないの?」
「
「例の集合墓地の件、ですが。気になって調べたん、です。どういう人たちが
「何か気になることでもあったん?」
「あんな集業
「実家があの墓地の墓
「なるほど。
ゴーストの声を思い出す。
「後者はこの辺りの村でも
「そっかー……」
少し、アルの声が重くなる。
「なら、なおさら
スイーツくらい食いたいよな、とアル。
「アル先生……。そうです、ね……!?」
と、
「何をしているのです……しているのだ、男二人で」
「授業の話だよん」
「ぐぬぬ、
「あわわわわわっわわわわわわわわあっわっわわわわ」
ミクトラに
「その、なんだ。大事な
「大事というかどーでもいいというか……あーいやまあ、一応大事か」
空っぽの
「ふむ、では私も協力させてもらうか。こちらの料理でなくてもいいのだろう?」
「むう、この食感。そしてほのかな
ヴァルクがうっとりと口に入れているのは
ペリネらと別れたアル
「先ほどはすまなかったな、店主」
「ミクトラさんが銀貨なんて置いてったから
店主がややほっとした顔で告げる。
「ほえー。王都にこんな店があったか。知らなんだ」
東国料理好きのアルが、頭骨をぐるんぐるん回して店内を
「この人……人じゃないか、いやでも元は人か。ええと……」
「気にしないでよいですよ、人間。
やや引き気味の店主に、
「
「あ、あたしもあたしも。食べてみたい。塩のやつ」
「へ、へい、
「これで候補が四つ……むむむ……どうすればよいのでしょう……」
「もういっこくらい増やすか。公園行こう」
「まだあるのですか!?」
アルが歩いていくのは、以前も来た王都中央部に位置する公園だ。
「お、いた。レヴァー」
骨が発する声の先。
「……タラシ骨……」
「何か今日さんざんなんだけど
へにょへにょとしおれる骨である。
「女の人三人も引き連れて何言ってんの。何この骨おかしくない?」んべえ、と舌を出す。
「おお、レヴァ
「あ、ミクトラさーん。おっつかれー」
やりとりを見たヴァルクが、
「
「そうらしいですねー」
(なぜこの
アルは
「いいとこのをこの銀色に」そのまま、ヴァルクを指す。
「全部
差し出されたのは
「切られた果実が、
言いながら、ヴァルクが口を付ける。
「これは……果実酒……。それに
「この人、料理評論家かなんか?」
「いや、単にお
正直にアルが答えるが、
「んで、なんでまたこんなぞろぞろと来たの?」
「なんでだっけ……いやまあ、君の売上に
「えー! 意地悪!」
「いやだって君、
「
「
ぽかぽかと
「くっ! 一体どうすれば……!?」
平和な光景に神の
「何をそんなに
「
必死の
「はあ……、全部持ってきゃいいだろ。
「え」
「ま、五個もありゃ満足するだろ、あのワガママも」
それに、とアルは心中で付け足す。
(どーせ
さて。当然であるが動く人骨を中心にやいのやいのやっていれば人目を集める。レヴァの
「うわなんか急にお客さん増えた……!」レヴァがわたわたと客をさばき、
「んもう、しょーがないな!」見かねたハルベルがチョコバナナをくわえながら手伝いに入る。家事技能は一通り備えた女子である。
「が、がんばれ、二人とも……」
ちなみにミクトラは真正のお
「さて、どうする。任務達成でいいか?」
さすがにアルの
「……そうですね。貴様の言う通りというのが気に入りませんが、これだけ持ち帰ればお許しは出るでしょう」
ちなみに、神界へどうやってスイーツを持ち帰るのかと言えば、お供えだ。ヴァルク手製の
「では
「わ、すごい人……あら、もしかしてアルさんですか?」
「ルーラットさんか? どうして王都に」
「父の遺品が見つかったと聞いて、取りに来たんです。父は、衛兵だったので。三年前に」
ルーラットが、布に包まれたそれ──衛兵の個人タグ──を大事に胸に
「────、そっか」
「用事も終わって、そしたら人が集まってるから何かなーって、そしたら……えへへ、子供みたいですね。ダイスもどっか行っちゃうし」
「ディスパ……じゃない、ダイス君も来てんの!?」
アルは
「私が外出するからって、王都まで付いてきたんですよ~。もー、ちょっと大きいからって、やっぱり子供ですよね」
言葉の反面、
「……あの子のことだから、多分平気な顔してるんでしょうけど。それでも、探さなきゃ」
その声に少しの
「確かに、
「そうですね。──昔は、昔は……ものすごく速く育ったダイスが、
アルは
「でも──両親と、最後に話したことを覚えています。『姉として、弟を守ってあげてくれ』……私はその時、両親が遠くへ行ってしまうと分かってしまったんです。不安で、泣いて……返事をしてあげられませんでした」
「無理のないことでしょ、それは」
「だからです。私は、私だけは。ダイスがどんなに立派でも、強くても。──世間から見て、異常でも。あの子を、心配しますし、探します」タグの入った布を、ルーラットは
アルへと
(参ったなぁおい……いい子だぞ。勇がありやがる)
「先ほどから、何の話です?」ヴァルクが、知らぬ名の話題に
アルは
(いや無理か。神が下界の戦いに直接協力するなんてまず無い。おまけにダイスは人間だ)
思い直し、結局
「ん~……どう説明したもんか……とりあえずダイス……君を探そう。話はその後な」
ミクトラ
《アル! アル!
聞き慣れた幼童の声。
「フブルさん?」
《おったか! すまんが、今すぐ王城に来い!
「……何があった?」
ただ事ではない様子を察し、アルの
《──
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