三章 元勇者、王族との関係に悩む(4/4)
○
王女エルデスタルテは、
(あぁ……また、あのような夢……私という女は……)
その心には今、
(どこかに、産まれ変わったアルヴィス様を
勇者アルヴィス・アルバース。光のひと。世界を
「ああ…………!」エルデスタルテはまた顔を
この先、自分が立ち直る日が来るのだろうか。
ならば、
(夢のような、
エルデスタルテはもう
「…………」
なんとなく。
『お止まりください、王女』
窓のすぐ外から。
「あ……あぁ。そんな、そん、な────!」
『それ以上はいけません。姿を
カーテン
「か、帰るとは。どこへ帰るというのです、アルヴィス様──!」
この名前を、
『天へ。光明神の
「……………………!」
エルデスタルテは
「で、では、
『は。今は神の列に加えていただき、天から人の世を見守っております。……無論、
『
「わ、私、私は……
胸を
(
『今の
「はい、はい……! この一時の
「良かった。
窓の外で、
『ああ、そうだ……。仲間、フブルさんが困っているようなので、言づてをお願いできますか?』
「先生に? お、お任せください」
フブルと勇者の思い出を語らうひとときは、王女にとって数少ない
『では。──『神々は人の治世のありように口は出さず。エンデ村のことも
「エンデ村、ですね……子細は存じ上げませんが、
エルデスタルテが
『ありがとうございます。──ああ、夜が明けるね。お別れだ、エルデ。元気で』
「待っ……」
かつて、幼い王女にかけたような親しみの口調で。勇者は王女の前から去っていった。
○
「自分でやったことだけど罪悪感がすげえ──────────────!!」
日が昇り、ランテクート家。アルが
──事の真相はこうだ。王女エルデスタルテは、
少し前から、相談役でもあったフブルが
「つまりは、生き
結界も働かないはずである。内部から発生しているのだ。それに、結界へ
「あ、危なかったぁ……」
「お、王女様を、じょ、
そして顔面
「解決策が、フブルさんの
「わ、すごい! アルすごい! 天才!」
ハルベルの
「これで王女も立ち直るし、
ありもしない胃が痛む感覚を得て、アルの手骨が何もない腹部をさまよった。
「エルデスタルテ
その背中に、トーンが低い声がかかる。
「その、生きてる
「な、なんだよ」やや
「私の知識によれば、確定していたのは五カ国の
ミクトラが静かに告げる。
「あーと、たぶんだけど、確定してたのだけで、十二に……」
「「多い!」」
「なんなのです……なんなのだそれは! ちょっと気が多いんじゃないか生前の
「
アルがしゅばっからころと走り出す。
「あ!
「
高速で早朝の王都を走る人骨は、さ迷うゴーストと
○
──ところで。これはこれでまた別の話。王城における茶飲み話であるが。
「のうエルデ
「いやですわ、お
「う、うん。ははは……それは、ははは……」
結構やべーなこの王女、とフブル
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