三章 元勇者、王族との関係に悩む(3/4)
「んで、何で王都にいんの」
『
「何でとはしっつれーね、仕事よ仕事。これでも南方帰りなんだかんね。向こうの果実仕入れてこっちでさばいて
「南方ってことはカクタン島辺り? 連合内でも無いのに
生活から文化から勝手の
「今度飲みながら教えたげる。いろいろあったのよ、いろいろ」
本が一冊書けそうなくらいね、とレヴァは言いおいて、
「そっちは? あと、そっちの
「仲いーね」
そっぽを向き見事にぶうたれていた。口から出た
「何
「え、じゃあ
(……あ、照れた)
ハルベルの
「ついでに君にも聞いとくか。かくかくしかじかなんだが」
「まるまるうまうまということね。はーん。ミクトラさんのご実家に。ほーん。へー」
「なんだよその目は」
(ちなみに、あんたの正体ってミクトラさんとかハルベルちゃんとか知ってんの)
声をひそめて聞いてくるレヴァに、
「なーんだ。あたしだけかと思ったのに」
「むむむむむ、やっぱり仲いい…………」
じっとりと二者を
「で、ゴースト
「やっぱ子供?」
「そそ。ちっちゃい子らしいよ。三
ぴたり。ふんふんと人間くさく聞いていた人骨の動きが、死者らしく止まる。
「三
「え、え? ちょっと待って……」
「……あ。聞いてない子もいるけど、三人いるよ、ていうか聞いた子はみんな三
アルがそれを聞いて、物思いに
「何か分かったの?」
人間では無いであろう犯人。しかしてゴーストは外からは入れない。
「もしかしてひょっとして万が一……ではあるんだが。結局
意味なく頭骨をくるりと一回転。公園の人々をびくりとさせつつ、アルは立ち上がる。
「話ありがとな、レヴァ。ハルベル、行こう」
「あ、うん」
「あいあーい。しばらくこっちで余った果実使って
アルは手骨を
「ところで、なんで
ふたたび、じっとりとアルを見るハルベル。ややあって、そっぽを向きつつ答えた。
「……せっかく二人だけでお出かけだったのにー」
「……もう少し
「別に
○
夜。
アル
(うううん……これはやっぱしもしかしたら……いやでも……まさかー)
考えつつ、カルネルス君の部屋前で耳と
「こ、こら、
赤くなってそそくさと去るミクトラを、
(骨に何を
(ランテクート家には二日ほど来ていない……)
ゴースト(?)のローテーション、というのもおかしな話ではあるが、来てもおかしくはない、という日程ではある。
そんな思いを
《……さま…………ス……さま…………としい……》
アルの
(オイオイオイ。ほんとに来たよ)
すぐさま、アルは手元の糸を引く。糸は数メル
一方、
「やっぱりゴーストだ。けっこう
「なんと。王都内に
ともあれ、確保が優先だ。二人はそろりと部屋を出て、外へと向かう。
アルの方では、
《ああ……ア……まぁ…………どう……て……》
「
音もなく、
外にハルベル
《──アルヴィス様──
(…………あーもー……なんで当たるかなこんな予想……)
骨の指が、
「いたっ!」「そこを動くな、不
ハルベルとミクトラの声が外から
「っと、やばい!」
アルもまた、カルネルスの部屋に入り、窓を開ける。そこには、消え去ろうとして、結界に引っかかり
「ハルベル、ストップ!」
「え、え? なんで?」
次いで、アルはゴーストの顔にあたる位置にうっすら残った
「アル!?」
ミクトラの
「ふぅ……危ねえ危ねえ」
「どうしたのアル!?」「何があったのです……あったんだ、なぜ
「ねえちょっと! アルー! 答えて!」「おい泣いてるぞ! カルネは無事か!?」「びゃあああああああああああああ!!」
「えーと……
泣けないけれど。
十数分の後、アルがいるのは王城──
「なんじゃなんじゃこんな時間にいきなり
「──エルデ
ぴくり、とフブルが反応した。
エルデスタルテ・ア・エインへアル。エイン王家の第一王女。年は現在十六。
「何があった」
「最近の王都内外の
「ああ……何ぞ報告にあったの……貴族平民問わず、
「それ、犯人王女」
「はあ!?」
「んでまあ、王女の心身と王都、そんでちびっ子
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