三章 元勇者、王族との関係に悩む(2/4)
○
「ふええ……どうにか乗り切ったぁ……」
「しかし最後は
一方。城を出たアル
「んー……無い!」
堂々と胸骨を張り答えるアルに女性
「な、無いの?」
「
指骨を
「うーん……神様が
「まあそれはそうなんだが。でも今回の場合、実際は大して問題無いんだよな」
「そうなのか?」
ミクトラがアルへと問う。アルは
「
「それ、は……少し
「まあ
だから、アルヴィスも神々に
「じゃあ、エンデに私が
「神々からすりゃ知るかそんなモン勝手にやれ、ってなもんだ。ただ問題は、神そのものじゃなくてそれを
勇者アルヴィスならば発言に説得力はあっただろう。だが今や勇者は死に、動く骨のアルさんだ。
「保証が必要になるわけか。……だが
「たまに
「「来るの!?」」
「とはいえ、基本はあっちからの一方的なもんだ。
「い、いやそれ十分とんでもないから」
「大司教すら、人生で
まあそれは置いといて、とアルは手骨を
「確実に出来るかは分からんってのはそういうこと。運良く向こうの気まぐれで呼ばれれば、何か分かりやすい保証くれって出来るけど、それも聞いてくれるか分からんし」
「結局今は機を待つことしか出来んか……」
「そ。んで、ハルベルは勉学に
「きゅう」
ハルベルがミクトラの
「は、ハルベル?」
「アルもだけど……ありがとう、ミクトラさん。さっき、助けてくれて。お礼しなきゃ」
「い、いやその、気にするんじゃない。ゆ、ゆう、友人だからな」
(あ、ちょっとテンパってんな)
「そう? ……えへへ。ミクトラさんの友達なのね、わたし」
うっ、とうめいてミクトラが
「ま、まあな、礼というならば、ほら、私としてはだな」
「何?」
ハルベルに間近から見られ、ミクトラは深呼吸を一つ。
「その……友人として呼び捨てにしてくれれば」
「え、そんなことでいいの? ていうかそれお礼になってる?」
「な、なる。なるぞ。なるとも」
「そう?」とハルベルは小首を
「ああ、こちらこそよろしく
ミッションコンプリート。感激してハルベルの手を両手で
「なんだこれ」
アルの
○
「やはりここでしたか、アル
「…………お
「……そちらも
マクドナルが対面へと
「
「カルネルス君の?」
アルも何度かは会うが、その度に半泣きになるか
(利発そうな子ではあるよな)そんなわけで、アルにはこの程度の印象しかない。
「最近、
アルが背骨を前に曲げ、聞く体勢を取る。
「数週間前からですな。夜になると時折、
「
アルは自分たちが疑われている可能性も
「失礼ながら、
完全ではないが、密室ということだ。
「
「無論、
ふむ、とアルは指の骨を
(ゴースト……だが、そんな
さらに、
「分かりました。世話になっておりますし、何より友人の弟さんだ。放ってはおけません。調べてみます」
「ありがたい。
そう言って、貴族マクドナル・ド・ランテクートはアンデッド相手に頭を下げた。
○
「なんだこりゃ」
「こっちもだよ」
「これも、これもか……なんということだ、しばらく仕事を空けていた内にこんなことになっていたとは」
翌日。アルとミクトラ、そしてハルベルがいるのは、王都の
三者は、
「カルネルス君、クマ出来てたもんね。単に
今回、ハルベルが休日のためアルに付いてきている。そのため、周囲からの
「──私も
(それでいいのか
アルとしては、夜を待つ間に似たような話が無いかと思い協会を
「こりゃ手分けした方が早いか。別の
「りょーかーい」「あい分かった」
「もし。
「はい……うおおおおおああああああ!」
「なんだろう。ノルマ達成した感がある」
「何言ってんの?」
ともあれ。ハルベルが男性へと手を貸した。
「す、すいません
「え、ええ? じゃああんた、え、……
「卵ですけど。えーと、
ハルベルのフォローに、男性が一応
「結局、カルネルス君の事情とほぼ同じだったな」
「だよね。オバケ? さんは色んな家に行ってるってことかな」
二者は
「こんだけ
「きょーつーてん?」
アルは
「小さな子供」
「あ」
カルネルスも、今日アルとハルベルが話を聞いた家庭の
「ミクトラにも聞いてみる必要はあるが……多分確定だろう」
「ちっちゃい子が好きなオバケさん?」
「うーん犯罪の
「いいオバケなの?」
ハルベルが食いついた。さてどーだろ、とアルは考えをまとめがてら、
「あれ、アルじゃん? ひっさしぶりー」
公園にいた
「ほいお子さま、
「お子さまじゃないもん。でもいただきます……ふえーあまーい♡」
文句を言いつつもハルベルが
「ともあれ、こうなると
「人間じゃあり得ない、ってことだよね」
予想していたことのため、
「ねー。おーい」
「そだね。王都中の幼児。何万人いるか知らないし、全員が
骨でも無理、とアルは両
「おいこらー」
「となると、やっぱ私の出番かな?」
「かなあ。今日から
「うん、でもアル、後ろ──」ハルベルが言い終わる前に。
すぱーんとアルの
「無視しないでよ! 泣くぞ!?」
「いや仕事の
アルが頭骨を
「なんかさーあ、アルって私にだけ性格悪くない? ミクトラさんには服あげたり
そこで、レヴァとハルベルが
「「……………………」」
(あ、そういや初対面か)アルが思い至る。
「アル、この
同時に
「泣くぞ君
骨にだって
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