二章 人骨、先生をやってみる(4/4)
「はあはあ……」「ひいひい~……」「ぜ……ぜえ……」「つかれた……アル、えーと、せんせー……おんぶー……」
「だめ。きりきり歩きんさい」
「ふ、ふふふ、中々のスパルタですわねアル先生。そう、こなく、ては……」
全員がアルの力を見た上で、さらに
「
「…………最上級生
四人と一体が歩く場所は、地下集合墓所の最深部だ。ここは
(中々
アルとフブルにしてみれば、エンデ村をハルベルに救わせることが最優先だ。しかし、生徒たちの
(さて、そろそろかな……)
アルが地下墓地図を
「この辺で最後の小休止と
「うん~」
ペリネーテスが呼びかけ、てきぱきと二人で
「
「ほ、
この──
相方のゲルダも、火力役のペリネーテスを
「ふぅ……死ぬかと思った、よ。いや実際死んだ、けど……」
ため息を
(
「お
ハルベルもへたり
「でもさ、なんでダステルはこれに参加したの? 私はすごい助かってるけど、ダステルくらいなら他にいくらでも実績
ハルベルの質問に、ダステルは気まずそうに下を向いた。その整った顔がやや赤い。
「いや、その……ハルベル。君、さ」
段々小さくなる声。
(はっ!)(これは!)(もしかして~……!)
アル、ペリネーテス、ゲルダがある気配を察し、期待と
二人の様子は対照的だ。ハルベルは
(いくのか、ダステル君!)(ど、どどどうしますの! どうしますのゲルダ!)(まままままままま、ペリネ落ち着いて~)
わくわく、はらはら、どきどき。観戦者も三者三様だ。
「き、君──さ。い、今」
「うん?」
そして
「ランテクート家に
「あ、うん、そーだよ」
観戦側の
「じゃじゃじゃあ、今帰省していると言われるミク様」
(ミク様!)
「あ、あいや、
「あ、住んでる住んでる。え、ミクトラさんのファン?」
「じ、実は……」ダステルは真っ赤になって答える。「実家の
語られる言葉に、アルは
(あー、
確かにミクトラは、貴族出身の
「そうなんだー。じゃ、今度サインもらってきてあげよっか?」
「いいの、かい! やった! よし、今日は君を全力で守る、よ!」
何やら話がまとまり、やれやれという風にペリネーテスとゲルダが会話に入ってくる。
「ダステル、私たちも
「ま、
「それは! 基本! ですわ!」
食ってかかるペリネーテスに、ハルベルは頭を
「アル先生の後ろに
「ままま。あれは私が近かったもの~」
「でも、確かに
(確かにね)ゲルダとダステルの疑問に、アルは心中で
フブルに
「……ハルベル」
「うん。いるね」
アルの
「ど、どうしましたの?」
「
アルの言葉に、四人が立ち上がる。ダステルが
ダステルが
(お、『フラセルム』。
強く激しい光を発し、その後も光源としてしばらく留まる光を作り出す中級
「行きますわよ!」
「敵が、いな──「あそこ!」
ダステルの疑問を
「ゴーストだね! 『フュネル』~!」
(うーん問答無用。ま、戦術としては正しい)
アルの思いはさておき、神聖
「これで、終わり~!」ゲルダが手応えを得て笑う。だが。
《おお……おおぉ……》
「……効いてないの!?」
ゴーストは変わらず、そこに
しかし、意味は無かった。
《
音もなく、ゴーストの
「なぁっ!?」「ひ……!」
そう。物理法則などあざ笑うかのように、十メル以上
「か……、はっ」「さむ、い……」
「ゲルダッ! ダステル!」ハルベルが二人を支える。
精神
「おのれ……!」
《
ぼごり、と。音を入れるならそういった様子で、ゴーストの
「これ、は……」
ペリネーテスの
(
先ほど、アルが
◆アセンブルゴースト(人類敵対度〓A。まず
集業大
体力(というのもおかしいが)、大きさ、精神
単純物理的な
数人から、記録に
強力な存在であるため、退治には個人ではなく集団でかかるのが望ましい。
勇者アルヴィス
(この規模なら正規の
苦い心境のアルに対し、生徒
「ペリネ! しゃんとして!」
「ぐっ、ぐ…………『ブラスト・サチュレイション』!」
ハルベルの
「
しかし。
「そん、な……」
それでも、こうした判断が出来るのは
「どうする?」アルは
「んーん。単位ほしいし、やってみる」
「何をしていますのハルベルさん! 初歩の
《りゅりゅryりゅりゅりゅうりゅあうゆyるryるう》
「ああっ……」
ペリネーテスの
ハルベルが、手をかざした。
「
「……は?」「ふっ、は、え?」「ん、ええ?」ペリネーテスに加え、息
「んもー。いくら
《りゅyるあおろあろりうおぉぉ……でももも》
「でもじゃないです。ほら、
《あぁぁぁあぁあぁあ》
地に
「な、何ですの……あれ」
「まあ信じられんのも分かるが。こと
もっとも、今のハルベルは地元に置いている
(ハルベルさんの
ペリネーテスの
「うそ~」「す、すごい、な……」
「ま、ここまでハルベルをほぼ
「「「はぁ……」」」
いまいち
「ふいー! とりあえずこれでよし!
数十分後、所在なさげに
「でも、やっぱりみんなはっきりした意志はあんまり無いのね」
「
「ど、どうするん、ですか」
「……
アルがハルベルへ
「
「じゃ、私の出番だね。でもこれ、
「ねえ、アル。ミクトラさん、あれまだ持ってるかな?」
ハルベルの耳打ち。それに、ああ、とアルは
「多分まだ売ってはないだろうな。んじゃ、完全に
「それなら、足りると思いま~す」
ゲルダが
(とりあえず、一段落か──ん?)
「敵意は無いっぽいよ」
支配するハルベルが言うならば
「……
そして、ほどなく
○
実習任務を終えてから数日後。お昼どうしよっかな、と算段していたハルベルの元へ、
「お待ちなさい、ハルベルさん」
「こんちは~」
「げ、ペリネ。……と、ゲルダ。こんちは」
「なんですのその態度の差は!」
「まままま、ペリネ。用事あるんでしょ~」
用事? と首を
「先日の実習任務の反省会でしてよ!」
「うえめんどい」
「めんどいとはなんですの!
「要するに
「あー、おっけおっけー。ダステルも
「ゲルダ────────────────!!」
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