二章 人骨、先生をやってみる(3/4)
○
そうした日々が続いた
「やあ、アル」
「おいっす。ミクトラ、カルネルス君」
服を
ミクトラはいつもの
「まあ父上の説教がセットなのが
ミクトラは気軽に笑ってくるが、
「……うぅ」
カルネルスは
「こら、カルネ。私のゆ……友人だぞ」
「こわいぃぃぃ……うぎゅぅ……」
姉の苦言にも関わらず、
「ふははは。こわいのはさっさと行っちゃいますよー」
「お、おい、アル。服はどうしたんで……どうしたんだ。
やや不満げなミクトラだ。ちょっと重い
「組合から呼び出しだ。仕事っぽいから
「んぐぅっ!」
久方ぶりのクリティカルが決まった。胸を
「ねえさま!? ねえさまどうしたの!? ほ、ほねさん、な、なにしたの!」
「い、いやいいのだ、カルネ。ふ、ふひひ、ひひ……」
「ねえさま!? 何その笑い方!? ねえさまー!?」
(カルネルス君、クマ出来てんな。お姉ちゃんと遊びすぎかね?)
チラ見したお子さまの目元が気になりつつ、アルはそのまま外へと出て行く。
そして
「
「いや臨時講師て。組合から指名で仕事
不満たらたらのアルを、フブルがうるさげに手を
「箱やら
む、とアルが居住まいを正す。
「現状まあ、ハルベルちゃんの成績は
「だろーね」
座学にはなんとか食らいついても、実技で
「
「
簡単ではないぞ、と言いおいて、フブルは続ける。
「そこで、保険としてのお主じゃ。臨時講師として
「丸投げじゃん……」
○
「えー本日はお
数日後。王都
アルの前に並ぶのはハルベル、そして任務に志望した三人の学園生徒だ。ハルベルが元気よく返事する。
「はい! 先生!」
「
「がんばります!」満面
「え、ええと……」「その~」「…………」
他の三者──ペリネーテスとゲルダ、そしてもう一人の男子生徒は
「はい、質問タイム」
「スケルトンじゃありませんの!?」「しゃ、
「その辺の質問は聞き
すっぱり切り捨てて、アルは四人を
「はい! ハルベル・エリュズといいます!
「な、なんでそんな平然としてますのハルベルさん……ええと、ペリネーテス・ラ・ペルナーダですわ。主に火の
「ゲルダといいます。
「ダステル・デ・ベルヘルカ、です。
やや
(
ざっと編成を組んでみる。まあまあのバランスだと
(貴族が二人、平民一人。まあ王立だし
友人を思い出しつつ、光無い
「……ベルヘルカは下級貴族、なので。
ああ、とアルは
(三男となると、手段はどこかへ
「立ち入ったことを聞いた。ごめんね。さて──」
「いえいえいえ! お待ちになって!」
「
「だってアルすごい強いもの」
「は?」
「おい」
ハルベルへとペリネーテスが
「知り合い、なのかい?」
「読めましたわ!」
びしぃ! とペリネーテスがアルへと指を
「…………」そーっと指骨の先を合わせるように持って行くアル。
「
ペリネーテスはぺし、と指骨をはたく。アルがあわわ、と飛んでった指骨を追う。
「ハルベルさん!
「私に出来るわけないでしょそんな裏工作ー」
「ままままままま、ペリネ落ち着いて」
「お
「え? ペリネ、ハルベルと他の生徒じゃ危なっかしいからって──」
「お・
(わーお)
「はい落ち着けー」
とりあえず女性
「
「え!
「ダメデス。っていうか仮
アルは
「当たり前ですわ! って……
「
「アンデッドが……? いやでも~、生前から覚えてるなら不可能じゃない……?」
「学園長に持たされた
「……死ね、と?」「め、
こちらは、
「最初に言ったろ、複数単位と上級任務実績。本来地下墓に
上背のある白骨が、
「だが、君らが自分の力をきっちり発揮して、それぞれがしっかり仕事を果たせば
ハルベルを
「そんなこと、今日初めてチームを組む
「まあこりゃ、学園長じゃなくて
「死の
「死傷した
死の
──ちなみに、
「
「んむ。開発したった。新しい交易品にならんかなって」
今回の
「
「言い方ー……。でまあな、作ってみたはいいものの、コスト高いわ保存がイマイチだわでのー。場所によっちゃ送って着いた時には消費期限切れじゃ。
「イメージて。というか
「わしなー、一回くらい『アイドル』とかやってみたいんじゃよなー」
「なにそれ」割とどうでも良さそうに、一応
「異界語でな、
「
歳に似合わず、見た目には似合って。かなり夢見がちなことを
「こう、
「遠見の
「骨Pはダメ出しばっかりじゃ……」
「
ちゃぷちゃぷと、アルが
「アル講師、何を
「アル、その
ペリネーテスとハルベルの声に、むむ、と通路の
「ええと、この先が──」
地図を広げながら、ペリネーテスが歩く。貴族の
(あっ、曲がり角の内側なんて不用意に歩くと……)
アルがペリネーテスの歩みに
「うわああああああペリネー!?」
・ペリネーテス……
◆ギロチンバニー(人類敵対度〓〓C。
人間を敵視しているというよりは、
勇者アルヴィス
また別の場所。
「うわあっ! しま、足元、を!」
ダステルの
「えっちょ、まっ! きゃああああ~!」
「げっ、ゲルダ! くそ、この犬、ゲルダの上からどきなさい!」
・ゲルダ……ダステルを
◆ブラインドドッグ(人類敵対度〓〓B。人肉を好む)
通常の犬種が地下に住み着き、
目が退化し視覚はほとんどないが、代わりに発達した
元の犬種に関わらず
勇者アルヴィス
「ふう……、あ、すいませんアル……先生。
「ちょ、ダステル、
「え」
ダステルが
──なおこの後、
・ダステル……スケルトンに
◆
一定以上の量の水に、
水なので単純な物理的
勇者アルヴィス
「くそっ!
ダステル
「あぐっ?」
(ハルベル……!)「ハルベルさんっ!」
アルが息を
「こ、のぉ……!」
痛みをこらえながらハルベルの
「あ、危ない!」「アル講師の方へ行きますわ!」
(……ま、パーティの
ぐば、と大口を開いて
「ほい」アルのブーツの
「はいさよなら」
そして、後方へとブン投げた。
「え、ええ……」「い、今、何しましたの、あの方」「意味分かんない
「いっだだだだだ……! うぅ~! アル、最初からそれやってよ!」
ハルベルだけがそれに動じず、
「だ~か~ら~、助けないっつってんでしょーが」
・ハルベル……何度か傷を負うものの、
◆ジェイルリザード(人類敵対度〓〓C。野生の
都会の地下に住み着く
人間にも
勇者アルヴィス
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