二章 人骨、先生をやってみる(2/4)
○
「ミクぅぅぅぅっぅううう! ようやく帰ってきたな!」
「うるさい……」(おおごえ)(うるさい)
二人と一体、
王城を辞したアル
「『一刻も早く連れと共に顔を見せろ』とはな」
ミクトラは気重そうにアルとハルベルを先導した。そして家に入るなり、これだ。
「──父上、客人の前で失礼でしょう」
頭痛を
「……はっは! これはしたり! では、その後ろのお
活力を顔に
「先にお伝えした通り。勇者アルヴィスのお仲間でもあったスケルトン・アル。そして
「王祖神エンラルの導き
「よ、よろしくお願いします!」
「あ、アル……」
対して、マクドナルは静かな
(フブル
見事な貴族式の礼である。ただのアンデッドではないことは確かだと
とはいえアルにとっては生前、連合の
「頭をお上げください。勇者のお仲間であり、
ハルベル
(おおう。こう言っちゃ失礼だが変な
(家とか無理デス……。部屋何個あんの、ここ)
アルとハルベルが立ち上がる。マクドナルが
「細事はこのアラハンに申しつけくだされ。家人が茶会の席を用意しております。その間に部屋の用意もさせましょう」
「ありがとうございます」軽く
「では、私も……」
「いや、ミクは待ちなさい。話がある」
アラハンに付いて歩き出す中で、ミクトラだけがマクドナルに
「ち、父上、何を」
「何をではない。分かっておろうが」
言いながら、マクドナルはミクトラを連れ別室へと向かっていく。
「いいんですかあれ」
「あ、御気になさらず。
アルの質問にもアラハンは動じない。別室の
「いいのかなー?」
「いいんじゃないの? おっ
「はい、
「君フブルさんとこで結構食ったろ……」
たどり着いた応接部屋にまずアラハンが入り来客を知らせ、ややあって入室を
中にいたのは、およそミクトラの母という
(ミクトラから
「きれい……」
「こーら、ハルベル。失礼しました、ランテクート夫人──」
思わず
「これはご
先に聞かされていたとは言え、アルの見た目にも動じた様子は見せない。二十年以上、王仕貴族の妻をやっているだけはあるということだ。
(
その代わりというような声がメリルの
「ひっ……ふえぇ、うぅぅ……」
泣き声である。アルとハルベルが視線を移せば、そこには絹のような金色の
「長男のカルネルスです。ほら、
(おお、これがミクトラが言ってた弟ちゃんか)
「うわぁ、かわいい……!」
目を
(これが三
ダイスを
「びゃああぁぁぁあああ! ほねこわい~~! お母様~!」
「申し訳ない。どうも
「謝罪するのはこちらですわ。失礼を
三者共に笑って(アルは
「ミクト……んん、ミクお
席に着き、問題なく茶を飲むアルに
「
メリルが二人のいる部屋の方角へ目をやった。アルも予想していたが、ミクトラは父親による
「ええと、メリル様は
ハルベルの問いに
「心配しない、と言うと
「どちらかといえば
そう
(──そうなると
アルとしては仲間であるミクトラの味方だ。
「貴族らしいことを申せば、カルネルスが産まれたから、ということもありましょうが。……それでも、
メリルの
○
とまれ。アル達一行はランテクート家に寄宿することとなった。過ごし方はそれぞれだ。
ハルベルは王立
ミクトラは父親と職業についてやり合いながらも、愛弟カルネルス
そして、我らがアルはといえば、ゲーム
「君の実家、最高だな!」
「うんまあ……その、楽しんでくれて何よりです……何よりだが、あまり使用人
最初はアルに対して
無論、遊び
しかし、アルの
その上、最も
「ぐえー……づがれだ」
このように、毎日頭を
「どうだい、学園は」
「分かってたけど大変ー。勉強もだけど、クラスメートがさー」
「ハルベルはあれこれ
身内の茶会部屋で仲間三者が
「その通りデス。めっちゃ
「編入生のハルベル・エリュズです。よろしくお願いします!」
時は
「あれが
(わあお。
素知らぬ顔でつぶやきを無視して、ハルベルは講師の
「よろしく、ハルベル・エリュズさん。私はペリネーテス・ラ・ペルナーダ。
ペルナーダ家は、主に
「あ、よ、よろしくー……」
そんな事実は知らずとも、
「
「え……」
「ペリネと呼んでくださいまし。……私たち、
──それも道理。現状王立学園の教育プログラムに
「なんで
「知るかっつのそんなの! ペリネが勝手に期待したんでしょ!」
ハルベルの入学から数週間ほども
ペリネの
「まままま、二人とも落ち着いて。授業中だよ~」
二人の
「くっ」「ちっ」
((((収まったか……))))
周囲の生徒も内心で
一度だけ、貴族の生徒数人によりハルベルの私物がトイレにたたき
「ペリネじゃないと思うけど、心当たりある?」
「あるわけないでしょう。ですが、
そうして、ゲルダを加えた三人でその日の内に
こういった流れがあったものの、ペリネのハルベルへの態度は基本的にきつい。
「ハルベルさんはどうしてああ生意気なんですの! 初歩的な
「ままま。でも
「そんなことは当たり前ですわゲルダ! 強い
ハルベルの
(あー、これ
とは思っても言わないゲルダである。どう考えてもやぶ
「それに──資格さえ取れれば学園での地位などどうでもいい、という態度が丸見えなのが腹立たしいですわ」
「そういえばそうよね~。
ということはゲルダのように
(かといって栄達にも興味がない──まるで、もっと先を見ているかのような態度。あれは……)
「あの子が気になってしょうがないのね~、ペリネは」
「
そうしてまた翌日、教室でやり合う。そんな日々だ。
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