一章 骨勇者、宿敵と再会する(2/3)
十分ほどで、村人
「おおう……ぐるぐるする……」
「ほれ、下りれ。……はー
二人は足を止め、アルが
「手分けしよう。
アルの提案に、
(ハルベルを一人にはさせられないし、
アルが一足先に木々へと飛ぶ。
『ゴォオォオォオオオオウ!』
山の八合目辺りか。地に
「先に行く。二人は注意して上がってきてくれ」
「分かった」「うん!」
飛び行くアルに続いて、ミクトラとハルベルも表情が
「ハルベル、歩きながら
「──やってみる。いこ、ミクトラさん」
二人も山に入る。ピクニックに丁度良いかと思えた山は、今は不気味な気配すら
「うえ、
アルが木々を飛び回りながらうめく。上から、
「
仮に
(子供がなおさら心配だが……そっちはミクトラ
そして、しばらく人骨が飛び進む。中腹を
「何だ?
ぞわりと、もう無い
(近い。
木々が開ける。七合目の辺りか。
「ッ!」
音速を
(ドラゴンブレスだあ!? ウッソだろおい!)
自分の判断が信じられない思いで、アルは
◆ドラゴン(人類敵対度〓D~A。個体に大きく
生命体の頂点と言って良い
純正のドラゴンは成長するに従い属性分化し、それ以前の若い
竜の数少ない共通点として
知能も高く、人語はもとより竜の言語も持つと言われる。種により人間への敵対度は
果てしなく強力なぶん、
勇者アルヴィス
ブレスにより開けた木々の向こうに、緑色の
(とりあえず
アルは
──
(はい?)
生前ですら中々お目にかかったことのない光景に、しばし全骨が固まった。
「な、なんだあ!?」
そこには、地に
(子供、だと……?)
「ン……ふん、
子供とは思えぬ口調で、
(あ、やべ)
「──『
(早い!)
飛び
──アルの
「なんとおおおぉおぉぉぉぉおおお!」
「ほお?」
(こいつは……人の形をした何か、だな)
アルは、少年の見た目からくる情報を間合い以外全て捨てる。
「そういえば
「……君ほどデタラメじゃあないがね。ところで、いったん
「断る。スケルトンなぞ山に残して
うんざりとしながらアルが構え直す。少年は
(うわあ、
「あの
ちょっと
「「…………ッ!」」
アルは真後ろ、少年は横へとズレる。相打ち。しかし五分ではない。
「おのれ、何か
側頭部を押さえた少年が、
間合いは
「──アルッ! その子、人の
広場にハルベルの声が
「ミクトラさん! 急いで上に連れてって! アル以外にすごく大きい
ハルベルが
「しかし、我々ではアルの全力
「近づけば
「──よし、守りは任せろ!」
問答しつつ、ミクトラが山を
──そうして、
「な、何事だ?」信じ
(何コレ……
「──アルッ! その子、
とにかく
「ゴアアアアァァァァ!」
「うひゃああ!」
「っ!」
(──ハルベル、だけは!)
ミクトラ・クートは正しい意味で貴族の
走り来た黒い服の少年が、
「人の仲間に何しやがる!」「敗者が無様をさらすかッ!」
両者の
「「「「…………」」」」後には、四者が残された。
「…………ふはぁっ」
「だ、
ミクトラは顔を上げて
「その、そこな少年、何が何だか分からんが、とにかく礼を……」そして、
「その
「この
アルと少年。両者間の空気が
「ちょ、アル!?」「お、おい!」女性
「転生か。ずいぶん早いお
「貴様の方は
(さ、殺意か、これは、アルの……。
ミクトラが
近くにいることだけで
しかし、放っておいても
「
そして、
「ダイスぅぅぅぅぅっぅうぅぅううう!」
三つ目の名前が呼ばれると共に、少年の頭に
「「「「!?」」」」
固まる四者。顔が見えなくなった少年の、
「あ、姉上……」
少年に
「無事で……無事で良がっだよおおおおぉぉぉぉおおおダイスぅぅぅぅぅぅうううう」
「姉上、今は」
「なんかスゴい音するし
「ええと……」「お探しの、弟君とは……」
とりあえず、といった
「あ、はい! この子です! ダイスといいます!」
「三
たまらずアルが
「あ、やっぱりお
顔に見合わず
「アッハイ、すいません。
「ちょっと大きいって言ったじゃないですか」
「「「ちょっと……かなあ……」」」
「…………ここは、預ける」
背を向けた。山を下りていく。
「あっちょっと! ダイス! お礼は言ったの!? こら待って! す、すみませんみなさん、どうぞ村に! 温泉もありますから!」
後に残されたアル
「……ミクトラさんとこの弟もあんなに大きくて元気なの?」
「そんなわけ無いだろう。とはいえもう二年会ってないが……」
「帰ってみたらあんなんなってたりしてな」
「止めてくれ
「あれも多分、
「……………………」
「三
そういう問題じゃ絶対ない、とミクトラは思った。
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