二章 スケルトン冒険者、アンデッドらしく地下ダンジョンに挑む(6/6)
◯
「お、あったあった。組織行動してるなら付けてると思ったんだ」
最深部のフロアからは、円形を描いていた通路の中央部へ続く扉があった。そこは研究室のような作りになっており、雑多な資料や器具が散乱している。
アルがぱんぱんと
「
「なんと。読めるのか?」
「ま、昔取った
一通り目を通すアル。ややあって、腕骨を組み合わせた。
「だいたいあのゴブキメラが言った通りだな。取り残された部隊が戦力を蓄えていた……」
この遺跡は、かつて神がまだ近かった時代、彼らとの交信や
「
結果論ではあるが、ゴブリン
「──そうだな。
「ところでミクトラ」
と、そこでアルが
「助かった。ありがとう」
「何を言うんだ。助けられたのは私だ。
「いやあ、俺にゃ残魔力って弱点があるから。キメラに加えてあの集団になると、完全に一人だったら
アルが手を差し出す。
「だから、感謝するよミクトラ・クート。出来れば、冒険者仲間としてこれからも仲良くしてくれると
「! ……も……もちろんだ!」
アルの骨ばった……というか骨そのものな手を臆すことなく両手で
「私もあまり冒険者に友達がいなくて……! 迫ってくる
「君お嬢様じゃなかったっけ!?」
ミクトラにとっては、性差を気にせずつき合えるという点が何よりも
「骨が! 骨が
揺れるアルが悲鳴をあげつつ、記録簿をミクトラへと渡す。
「悪いが、組合とかへの報告とかはそっちでやってくれないか。
「な……攻略の大半は
アルには予想できていた反論であった。今日一日だけの付き合いではあるが、ミクトラの性格は大体把握していた。すなわち、
(
とはいえアルがそう言うには理由もある。
「俺この間、場の流れで少し手荒く
「しかし……」渋るミクトラに
「じゃあほら、友達に一つ借りだとでも思ってくれ。いつか返してくれりゃあいいさ。友達ってのはそういうもんだ」
「むぐ。……そ、そうか。友人はそういうものなのか……えへへ、友達……」
言い
「そうそう。友達だしな。友達だから道すがら
「何!」
「骨だけにコツを」
「あの
完全にスルーされた。
◯
二人が去った後。遺跡はいくつもの死をはらんで静寂に包まれていた。
一体の
しゅるり、と
「おやおや。……これは期待外れ。いやまあ、逆に言えばむしろ手間が
人影は三日月のような口を開けてその腕を左右へ広げた。そこから、霧のように
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます