聖夜
「あっ!流れ星!」
「ブモ」
「こんな日に流れ星が見れるなんて、嬉しいね」
「ブモォォ」
「クリスマスパーティの準備ができたみたい!村に戻りましょ!」
「ブモォー」
★
「きょ、今日は、た、大漁なんだな」
「はっはっは。そんなに取ってきてどうした」
「きょ、きょ、今日はクリスマスだから、みんなの分、ま、まで、とってきだ」
「そうか……本当にお前は優しいやつだ」
「ぢ、父上、あ、ありがとう」
「お礼を言うのはこちらのほうだ」
★
「今日は聖夜だぞ」
「そうさ!聖夜さ!」
「さぁ、ムルトさんの残してくれた骨を回して、遠吠えして」
「うん!あおぉーん!!」
「「「あおぉーん!!」」」
★
「いやぁ、こっちにもクリスマスがあるんだな」
「前の勇者が残していったそうよ」
「へぇ。昔の勇者様が」
「えぇ」
「わ、私たちも何か残せるといいですね」
「何か、ねぇ。私たち、何をするためにここにいるのかしら」
「そりゃ邪神を倒すためだろ?」
「そうだけど。でも、昔の召喚された勇者は誰1人として邪神を討伐してないらしいじゃない」
「じゃ、俺たちが初めて邪神を討伐する勇者だな!」
「そんな簡単な話じゃないわよ?」
「わかってるよ。でも、必ず、生きて帰ろう」
「えぇ」
「その時は、ハルカちゃんも一緒に、ですね!」
「えぇ。必ず」
★
「いやぁ。この森に針葉樹はないからな。このちっちゃなツリーで満足してくれよ?」
「ご主人様、これは?」
「クリスマスツリーだ!」
「これが、ですか?」
「あぁ!立派だろう?」
「そう、ですね」
「ん?立派なのはこの僕かな?はっはっはー!!」
「もう、ティッキー様ったら」
「あらあら、2人ともはしゃいじゃって」
「奥様!私ははしゃいでなんていませんよ!」
「あらそう?窓に靴下を吊るしてるのに?」
「えっ、あ、あれは、その」
「あはは、いいのよ。はい、コレ」
「え?」
「クリスマスプレゼントよ。今年で3回目ね。いつも、ありがとう」
「……こちらこそ、ありがとう。ございます」
「よーし!!みんな!クラッカーはもったなー!!メリークリスマス!!」
「あなた!まだよ!ちょっと!何鳴らしてるの!」
「……うふふ」
★
『本当にサンタクロースはいると思う?』
『いると思えばいるよ。僕がサンタクロースかもしれないよ?』
『それはないわよ〜だって、あなたも私と同じ神様ですもの』
『サンタクロースは神様かもしれないだろう?』
『えぇ……そうかもしれないわね』
『アルテミス。僕はこれまでも、そしてこれからも君を守るよ』
『オリオン……』
『アルテミス……』
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