骸骨は再確認する

(なん、なんだこれは……!)


ステータスが軒並み異常に増えていたのだ。

魔法に至っては二つ増え、上位の魔法まで使えるようになっていた。


(そしてなんだこの……つく、よみ?)


月読

魔眼を持つ者が、月の女神の祝福により取得できる。

魅了効果

相手のステータスの閲覧

ステータスの詳細閲覧

視認不可能なモノの視認が可能になる

相手の動きをトレースすることができる

相手の動きの予測ができる…etc


月読の説明が出てくる


(これが詳細閲覧か?)


魔眼を持つ者、と書いてあるが俺は魔眼を持っていなかった。まず眼の部分がないはずなのだが……


(おそらく月ノ眼の上位版。ということだろうか……)


俺は、今ギルドの休憩所にいる。1人でビクッとして、1人で笑っている。


(すごい……これもアルテミス様の加護か……)


俺は月読以外にも、自分のステータスを詳細に見ていった。


月下の青骸骨アーク・ルナ・デスボーン

月の祝福を受けたスケルトンが変異したユニークモンスター


ランク

そのモンスターのランクG〜Sまである


レベル

そのモンスターのレベル

レベルの上限は個体差がある

上限に達すると進化をするモンスターもいる


HP

ヒットポイント

ゼロになると死ぬ

特殊な方法でしか死なないものもいる


MP

マジックポイント

ゼロになると魔法を使うことができなくなる


凶骨

強靭な骨。とてもかたく、武器にもなる。

他の骨を取り込むことで、再生することができる。


下位使役

自分と同じ系列の種族を従えることができる。

使役できるモンスターは、自分のランク未満のモンスターに限られる。


下位召喚

自分と同じ系列の種族をMPを消費し召喚することができる

召喚できるモンスターは自分のランク未満のモンスターに限られる

召喚されたモンスターは時間経過、または破壊されることで消える


暗黒魔法

闇魔法の最上級


危険察知

危険察知能力があがる


隠密

気配を気取られにくい

夜になると補正がかかる


称号

何かを成した者が得る

ステータスへ補正がかかるものがある


月を見る魔物

月を見ていたモンスター


月の女神の寵愛

月の女神の寵愛を受けし者


月の女神の祝福

月の女神の祝福を受けし者


月の使者

月の女神に認められ、月の女神に仕えることを良しとした者


忍び寄る恐怖

気配を消し、数々のモンスターを倒した者


心優しいモンスター

心優しいモンスター



頭が痛くなるな……この下位使役と下位召喚は、きっと実戦か何かでは使えるのだろうが、発動したら最後、悪者認定をされそうなものではある。モンスターという点では悪者なのだろう……が


(何はともあれ、強くなったのだろう)


俺はふと、月光剣の説明も見てみたいと思い月読をする


月光剣ー月夜つくよ


(ん?名前が違うぞ?確か前はナイトブルーだった気がしたのだが……)


月光剣ー月夜ー

月の女神が認めた者にしか扱うことができない世界に一本の剣

所有者と共に成長する。


(情報通りなら、俺と一緒に成長した……ということなのだろうか)


動揺を隠しきれはしないが、とても嬉しく、これが今の現状だということを認めた。


俺は気を取り直し、依頼掲示板を眺める。

冒険者ランクはE、その周辺なら狩れる、ということなのだろう。


(ふむ。無難にパワフルボアにしておくか)


俺は昨日と同じ依頼を取り、受付へ進む


「スカルへッドさん、昨日と同じものを受けるのですね。パワフルボアは畑や農作物をよく荒らすので、退治してくれるのはありがたいんですよ」


「そうか、なら張り切ってやらねばな。ところで、冒険者カードの名前を変えることはできるか?」


「え?あ、はい、結婚したりした場合変えることはできますが……婚約なされたんですか?」


「いや、その、実はスカルへッドというのは仲間に呼ばれているニックネームのようなものでな……やはり本名で登録したいと思ってな……」


「そうなのですか……あまり名前をコロコロ変更してはいけないのですが、また名前を変える予定はありませんよね?」


「あぁ。もう変えることはない」


「わかりました。それでは特別に変更しましょう」


「悪いな。助かる」


「いえいえ、それでは冒険者カードをお預かりします。変更後のお名前はどうしますか?」


「ムルト、で頼む」


「ムルト、ですね。かしこまりました。少々お待ちください」


「あぁ。すまない」


受付嬢へカードを渡してしばらくし、すぐに戻ってくる。

冒険者カードの名前はしっかりと変わっていた。俺はそのまま依頼の手続き、冒険者カードを受け取り、門へと向かう。


(パワフルボア……早く倒して今日は少しゆっくりするとするか)


別に休む必要はないのだが、今日は朝から色々とありすぎた。やはり教会での一件が大きいだろう。俺は簡単な仕事を終わらせるために、暗い森へと向かう。明日はどこへ行こうかと考えながら。


だが、俺は知ることとなる。

モンスターの怖さを、人間の怖さを

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