骸骨は向かう

「本当に、もう行っちゃうの?」


ハナが泣きそうな顔でそう言った。


「長居するのも、悪いと思ってな」


「いえいえ、骸骨さんがよければずっといてくれてもいいのですよ?」


ハルナはそう言ってくれているが、俺は知っていた。道行くエルフの人々が、俺を見て怖がっていることを。俺がこのままこの集落にいれば、皆のストレスになってしまうだろう。


俺は腰を落とし、ハナの頭を撫でる。


「ここにいたのは1日だけだが、有意義なものだった。これもハナと出会えたおかげだ。ありがとう」


立ち上がり、ハルナにも


「ハルナもありがとう。この外套と、この荷物入れ、ありがたい」


「いえいえ、このようなものしか渡せず、申し訳ないです」


ハルナ達エルフからもらったこの外套、自然に溶け込むことができるのだとか。森での狩りがしやすくなるらしい。そして荷物入れ、ボンサックと呼ばれるものだ。中には、ダンからもらったお金、そしてエルフからもらった金貨しか入っていない


「それと骸骨さん。これを。本物の世界樹を見にいくのであれば必要になるでしょう」


ハルナからそう言われ、何かが書かれている木の板を渡された。


「その板には、私の魔力と、エルフの字が書いてあります。紹介状のようなものですね。それがあればいくらか楽になるでしょう。骸骨さんのことを。害がないことを書きました」


「そうか。ありがたく頂戴しておく」


俺はその板をかばんの中に入れ、歩き出す


「バイバイ!骸骨、さん!」


「また会いましょう!」


「また会おう!骸骨!」


「また、この近くを通ることがあれば寄る!それでは!」


俺は後ろを振り向かず、青い手だけをあげた





俺は森の中を、ハルナに教えてもらった魔力循環というものをしながら歩いていく

時にはモンスターを狩り、レベル上げをし、魔法が撃てないかも試す


魔力循環というのは、自分の体の中をめぐるMPを感じ取り、それを体の中で循環させる。というものだ。魔法を使うには魔力を感じなければならないし、魔力循環をすればMPの最大値も上がる。


俺の体は魔力の通りが良いらしく、サラサラと流れていく。試しに肋骨に魔力を通し投げてみると、少しばかり硬度もあがり、威力も僅かにあがっている。少しなら魔力を操って方向を変えることもできた。

月光剣に魔力を流すと、輝きが増し、より一層綺麗になった。


「おっと、忘れていた」


エルフの村を出るときにもらった木彫りの仮面

これをつければ、顔も隠せて、なぜ仮面を被っているのか疑問にも思われないという幻術のような魔法がかかっているらしい。

これをつければ人間の街にも入りやすい、と言っていた。


モンスターの俺でも、人の暮らしには興味がある。

俺はハルナに教えてもらった、エルフの集落の近くにあるという街へ向かっている


★★★

名前:

種族:月ノ骸骨ルナ・スケルトン

ランク:E

レベル:14/20

HP100/100

MP34/34


固有スキル

月ノ眼

堅骨


スキル

剣術Lv2

火魔法Lv1


称号

月を見る魔物、月の女神の寵愛、忍び寄る恐怖

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