骸骨は招かれる

膠着状態。

スケルトンは答えることができず、エルフも確かめることができないでいた。

そんな中に、少女の声が響く


「違うの!この人は、私を助けてくれたの!」


少女がら女エルフへ声をかけた。

女エルフは狼の死体を見て、フードの男に問いかける


「本当か?」


「確かに、狼を殺したのは私だ」


「ここに来た目的は?」


「道を聞きたいと言っているだろう」


(本当にそうなのか?)


「フードをとって、顔を見せろ」


女エルフがそう言うと、この言葉を聞いたフードの男が、ビクリと身体を揺らした。隠したいことがあるのだろうか。


「顔を見せてもらえねば、こちらも警戒を解くことができない。武器もこちらに渡してもらおう」


エルフの声を聞き、フードの男は腰の棍棒を抜き、地面に置いた


「この剣は大事なものだ。渡すわけにはいかない」


男はそう言い、棍棒を蹴ってこちらへ渡してくる。


「ならば、剣を収めてもらおう」


フードの男はゆっくりと剣を鞘へ収めていく

女エルフは軽く手を挙げ周りのエルフに武器を収めるように指示を出す


「よしフードをとってもらおうか」


「とるのは構わないが、ひとつ約束をしてもらおう」


「なんだ?」


「フードの下がどんなものでも、襲わない。と」


女エルフはその言葉に何か引っかかりを覚えたが、すぐに納得をした


「ふむ。いいだろう。皆の者、聞いたな」


周りのエルフは小さく頷き、フードの男が手をかける。そして……





周りの男たちが武器に手をかける


「やめろ!」


女が大きな声で周りの男へ怒気を飛ばす


「約束した。襲わない。と、我らエルフは約束を破るのか!」


「だが人間達は!」


「彼は人間ではない!見ろ!」


フードをとった男は、スケルトンだった。

青い頭蓋骨の眼窩に、揺らめく青い火が見える


「数々の無礼、失礼した。改めて、仲間を助けてもらった事、礼を言おう」


女のエルフは男のエルフを叱咤した後、俺に向き直り、頭を下げた。


「誤解が解けたようで何よりだ。とりあえず、道を聞きたい」


「わかった。どこへ行くつもりなのだ?」


「黄金の泉……いや、美しいものが見たいのだが、ここら辺りで何かいい場所はないか?」


「美しいもの……ならば、良いものがこの近くにある。我らの集落にな!」


女エルフは両手を広げ、言った

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