第二章 オークションにかける! ぼっちな姫の癒やしかた
第二章 オークションにかける! ぼっちな姫の癒やしかた(1)
お
「私がお前のお
お
母子家庭で母がいなくなった
当然ながら、うまくいかなかった。
人には『
たとえば、公園にボールが置いてある。知らない男の子がひょいっとボールを拾って持って行った。それは本当にその子の物なのか? それとも落とし物を勝手に持っていったのか?
毎日そこで遊んでいる人なら、なにも言われなくても判断できる。だが新参者にはいちいち問いたださないと分からない。
しかし、子どもは『自分にとって当たり前のことをいちいち聞くやつは変だ』などと考えている
そこまでいかなくとも、『当たり前』のことで
結果として、周囲とうまくいかない。
もちろんそれはよくあることだったが、その時の
しばらくの間、どこにも遊びに行かず、死んだ母のことだけを考える日を過ごした。
そんな
その部屋には大人より大きな木の
家の中でまで学校を思わせるようなその部屋にたじろいだものの、ひとつだけ学校とはちがう物を発見して興味をそそられた。
それは
あとから知ったが、それは関数
特別そうな機械に
そんな
その時の
しかし、お
「好きな数字を当ててみせよう」
「えっ」
「お前の好きな数字だ。1~9の中でひとつ、好きな数字を選んでくれ。お
なにを言い出すんだろうこの人は、と
当てられるわけがない。そう思った。
「いいよ。じゃあ当たらなかったらどうする?」
「好きなおもちゃを買ってあげよう」
「わかった」
「それじゃあいいかな? まず、その
「うん」
「次に、お前の好きな数字をかけるんだ」
「かける……っと」
「
「はい」
「ほら、お前の好きな数字が、こんなに出てきたぞ」
『777777777』──7だ! そこにはたしかに、
「えっ!? すごい、なんで!?」
86419753を12345679で割る。それだと『7』になる。ちがう。
86419753を7で割る。それでは『12345679』になる。ちがう。
お
「7が好きか。お
「だから7がわかったの!?」
「いいやちがう。それは、お
「それは?」
「数学だよ。数学のおかげでようやく、お前の好きなものが知れた。……今日からは、もっと好きになれそうだよ」
本当に
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