第7話
羽場は狭い路地が連なる一帯に足を踏み入れ、一つの低層マンションの前に立つ。それはちょっと変則的な構造になっていて、一階は何処かの会社の倉庫、二階三階が賃貸されているらしかった。
「とにかくルリちゃんが納得するには、モノを見てもらうしかない」そう、外気に晒されて汚れが目立つ階段を上る。「帰りたきゃ、いつでも帰って貰って構わない」
「帰らないけど――」と、302というプレートが付いた扉の鍵を開ける羽場の背中に云う。「まさか、一人暮らしなの?」
「色々と事情があってね」
それも全然、知らなかった。
扉が開け放たれると、急に馴染みになった音が響き渡ってくる。幾つものファンが高速で回転する音。機械的な装置が、キリキリカリカリと擦れる音。
部屋は八畳ほどの広さがあるだろうか。しかしその半分は安物のスチールラックが並べられていて、幾つものパソコンらしき機械がグチャグチャに並べられている。白いの、黒いのが殆どで、それらは彩りのケーブルで接続され、チカチカと赤や青のLEDが点滅していた。辛うじて床は窺えたが、その殆どは電子基板や空のケースなどで覆われていて、まるで座る余地もない。
「ベッドにでも座って」
彼は言い放ち、キッチンの冷蔵庫からサルサパリラを手に取り、一度にその毒々しい液体を喉に流し込みながら、ラックの隅に設えられた操作卓に向かう。そして幾つか置かれたキーボードのうちの一つを軽く叩くと、小さな電子音と共に四つ並べられたディスプレイが灯りを取り戻した。
「――凄い――の?」何となく、凄そうだ。「これって全部、羽場ちゃんが?」
「殆ど中古で拾ってきた安物ばっかだよ」
「普通のOSじゃないね。カスタムOS?」
画面構造が違うのを読み取って尋ねた瑠璃子に、羽場は小さく溜息を吐く。
「――いや。eXectorOSじゃなく。ボクはHMVをメインで使ってる」
HMV。玄人向けの、ハッカー集団が開発したOS。
眉間に皺を寄せながらカチャカチャとキーを叩き始める羽場の背について、画面を覗き込む。それは瑠璃子の見知ったeXectorOSの画面と似てはいたが、全体にアイコンの類が少ない。矢継ぎ早に英語のメッセージが流れ続けるコンソールが所狭しと並べられ、上部には、こちらも様々なグラフが表示された画面が表示され、刻々とその値を変えていた。
「ハッカーのパソコンって、こんなんなんだ」
「まず、そこから正してかなきゃならない」と、溜息混じりに。「ボクはハッカーじゃない」
「え? 今更言い逃れ出来ると――」
「そうじゃない。ハッカーって言葉は、マスコミが広めた誤った用語なんだ。ハッカーはコンピュータ技術に精通した人物のことで、決して犯罪者のことじゃない。ボクは、【クラッカー】だよ」
「クラッカー」
聞いたことのない言葉だった。
「そう。クラック。【ひび割れ】のことさ。ハッカーたちが頑張って創り上げたシステム。その欠点を探し、壁にノミを穿ち、ひびを入れて破壊する。そうした行為をクラックと云って、クラックを行う連中をクラッカーって云う」
「じゃあ清水クンも――」
「ヤツはクラッカーとも呼べない。単に違法な武器を手に入れて振り回していただけで、その武器がどういう原理で作られていて、どういう効果をもたらすのか、さっぱり理解していない。そういう、単にクラッカーが作った武器を振り回すだけの連中は、【スクリプト・キディ】って呼ばれてる。調子に乗った餓鬼のことさ」
単なる言葉一つであっても、ネットワークの世界に住む彼らと瑠璃子の間には、とてつもない認識の違いがある。
「それで羽場ちゃん、今までにどんなことを――」
「それより先に、サイファーを片付けなきゃ」
そうだ、忘れていた。
事の発端。
「そもそも、美也ちゃんのお父さんって。実際何があったの?」
「昨日の深夜だよ。クラッカーにはクラッカーなりの情報網があってさ。コンピュータ関係の噂なんかはすぐ流れてくる。それでサイファーで会計やってた人が自殺したって話が流れてきて、あの通りサイファーってのはブラックな会社だから、何か変な金の処理やってて、それに気付いちゃったから口封じされたんじゃないかって。
それで丁度ボクの手元にもサイファーの従業員一覧があったもんだから――」
「なんでそんなの、あるの?」
「その話はまた後で」むぅ、と頬を膨らませた瑠璃子に構わず、彼は続ける。「それで死んだのは誰だろうって思いながら会計部門の名簿を眺めてたんだけど、そこに偶然美也ちゃんの名前を見つけたってワケ。凄い偶然なんだけど、偶然でもないのかな。ボクは何だか、そういう間の悪い運命に迷い込んじゃう性質があるみたいでさ、幸せを探していた筈なのに不幸にぶち当たっちゃうことってのが、凄く多くて。
それでこれも、そうだった。
会社と会計絡みで揉めるとなると、それなりの立場の人でしょ? 課長とか、部長とか。それで美也ちゃんのお父さんは部長さんで、それも去年、昇進したばっかりだったんだ。だとすると今まで黒い金の流れに気付かなかったけれども、それなりの立場になって初めて知ったって想像出来る。厭な想像だな、と思ったけど。でも次の日の朝、美也ちゃんが学校来なくて。それで――もう、きっとそうなんだろうな、って」
「そう、なんだ」未だに美也子の父親の死に対して、どう反応していいのかわからない自分がいる。「それで羽場ちゃん、真相を探ろうとした。でも、どうしてそれが偽文書を作るところから始まるの?」
「何? ハッカー物の映画みたいに、十分かそこら独り言呟きながらキーを叩いて、ヤッターとか叫んでサイファーの内部ネットワークに侵入して機密ファイルを盗めって? 冗談、現実はそんなに甘くないの!」確かに、そんなシーンを想像していた。「そりゃ、あんな風に出来ることもある。出来ることもあるけど、そういうのは管理者もいないようなシステムくらいだよ。普通の、ちゃんとした企業が管理してる【壁】は――とても正面から行っても突破出来る物じゃない」
「そういう、もんなの?」
「そうだよ。いいかい? ボクらがサイファーが管理しているシステムにアクセスして、そのまま辿り着けるのは買い物のページまでだ。例えるならそれって巨大スーパーみたいなもんでさ、まず入り口には案内係がいて、明らかに変なヤツ――バイクのヘルメット被ってたり、特攻服着てるようなヤツは摘み出されちゃう。これが第一の壁。
まぁこれを越えるのは簡単だけどさ、無事に中に入っても、そこには社員名簿や機密書類なんて置かれてない。バックヤードに向かう社員通用口から奥に行かなきゃならないよね?」
「まぁ、そうだろうね」
「で、当然社員通用口にはごつい守衛さんがいて、社員証を見せなきゃ通れない。これが第二の壁だ。さて、ルリちゃんなら、どうやって中に入る?」
「そうだなぁ。社員証を偽造しちゃうとか?」
「いいよ。偽造しよう。でも最近の社員証って中にICチップが入っててさ、その中に暗号化された認証情報が入ってたりする。そういうのって偽造できる?」
「出来ないの?」
「だからさ」彼は苦笑した。「基本、コンピュータ・ネットワークの世界ってさ、別に特別なことはそんなになくて、現実世界の延長に過ぎないんだよ。そこに壁があったら、その高さや厚さに差はないんだ。彼らが【ここは社員しか入れない通路!】って決めてたら、それ相応の備えをするのが普通でしょ? 違う?」
「それは――そうね」
「でしょ? 【壁の向こう側】に辿り着くためには、現実世界と同じくらいの――あるいはそれ以上の――難易度がある。
だから実際に彼らの社員証を偽造しようとしたって、それは酷く大変なことなんだ。まず社員証のサンプルを手に入れて、その中身がどうなってるのかを解析して、偽の社員証を作る。それは時間と労力をかければ可能かも知れないけど、ボクはそんな面倒な事をしてる時間はなかった。
だから、もっと別の、簡単な手を使うことにした」
「それが――偽文書?」
「偽文書は、トリガーに過ぎない。ボクはバンド・デシネのような連中を焚きつけて、お店がもの凄い冷やかしの客で一杯になるのを待った」
「それって、何の意味が?」
「何の意味があると思う? お店は一万人くらいが入れる、もの凄い大きなショッピング・モールだ。けどそこに、十万人くらいが一気に押し寄せた。どうなる?」
うーん、と、唇に手を当てて考え込む。
そりゃ、大混乱だろう。店員さんは人の流れを整理するので必死だろうし、守衛さんだって怪我人が出ないように――
「あぁ、守衛さんの仕事が甘くなる?」
「イエス!」パチン、と、彼は指を鳴らした。「用語としては【バッファ・オーバーフロー】って云う。オーバーフローってのは【溢れちゃう】って意味でさ、要するにもの凄い客が一杯来ちゃって、システムがパニックに陥っちゃうんだな。そうなると、隙が出来る。
そりゃ、ちゃんとした企業では、高給を払って最高の守衛さんを雇ってるだろう。けどサイファーのような新興企業じゃさ、そうした細かい所まで設備が整ってないことが多い。だからそれに期待してボクはデシネを焚きつけたんだけど。案の定、バイトの守衛ちゃんがパニックを起こしてる間に、何度か社員通用口に向かってみたら――紙に【サイファーの社員】ってだけ書いて首にぶら下げたような状態でも、中に入れちゃったってワケ」
「え? じゃあ、事は全部済んでるの?」
「済んでるよ。結果はまだ見てないけど」
「え? 見てない?」
「機密書類って云っても、何が何処にあるかわからなかったからね。だから目に付いたのを全部四次元ポケットに突っ込んで、デシネの混乱に巻き込まれてる間に逃げて、清水の尻ぬぐいに向かったってワケ」
彼はキーボードに手を伸ばし、カシャカシャと幾つかのコマンドを叩く。そして最後に、パチン、とキーを押し込むと、画面にはずらずらと一斉に様々なファイル名が表示された。
今年度予算計画、出入庫管理、新製品プレゼン資料、卸メーカとの交渉議事録。そうした日本語のファイルの他に、膨大な英語のファイルが流れてくる。
「そこそこ、かな」羽場は首を傾げ、黒地の画面に浮かんでいる緑色の文字列を追った。「検索する。美也ちゃんのお父さん。山岸悦夫――」
記憶装置が、ガリガリと唸る音がする。そして画面には、パラ、パラパラっと、幾つか該当するファイルがリストアップされた。
「人事記録――そしてメールだ」
彼が幾つかのコマンドを追加すると、パッと新しい画面が開き、履歴書のような体裁の人事記録が表示される。
住所、氏名、年齢、家族構成――そこには美也子の名もある――そして入社してからの所属部署の遷移と、半期毎の評価。
「そこそこ優秀な人だったみたいだ。毎年、評価はAランク。こっちの人事評価テーブルと付き合わせると、年収はいだいたい一千二百万、てとこかな」
「へぇ、美也ちゃんの家、そんなお金持ちだったんだぁ。結構アルバイトも忙しそうだったし、全然そんな風はなかったけど」
「メールの方は、どうかな。何かあるかな」
送受信メールを、一覧表示させる。その殆どは業務に関わるものらしく、意味不明な用語のタイトルばかりだ。
「バジェットとか減価償却とか。何の事?」
「知らないよ。ボクだって会計は詳しくないし。ただ――」渋い表情で眺めつつ、羽場はタイトル一覧の一部を指し示した。「これ見て。先週末までは日に五十通くらいのメールが送受信されていたのに、今週に入ってからは数通に減ってる」
「つまり先週末に、何かあったってことね?」
「だろうね。予定表を見ると――執行役員会議、てのがあった」
「そこで偉い人たちから、何か云われた?」
彼は答えずに、眉間に皺を寄せながらキーを叩く。
「うーん。やっぱ良くわかんないな。用語が専門的過ぎて――どうやらその執行役員会議じゃ、外部監査の結果について話し合われる予定だったらしい。でも、監査って何?」
「何かチェックするんじゃない?」
「違いないね」彼は苦笑しつつ画面を脇に寄せ、別の画面から用語の検索を行った。「監査、監査――法律や社内規定に則った業務が遂行されているかをチェックすること。それで外部監査ってのは、その組織とは関係のない第三者に、問題がないかチェックしてもらうことらしい」
「外の人に?」
「ママが変な臍繰りを溜めてないか、パパが専門家に調べさせるようなもんかな」
「でも、ママ――お金を管理してるのって、美也ちゃんのお父さんの方じゃないの? それをチェックされて何か指摘されたとなると、美也ちゃんのお父さんの方が悪いことしてたって話に――」
美也ちゃんのお父さんの方が、悪者?
瑠璃子の言葉に、困惑した表情を浮かべながら――黙り込む羽場。
いや、そんなの、あっていいはずがない。
「そんな。そんなはずないじゃん! もっとちゃんと調べなきゃ!」
「そうは云うけど――」
「美也ちゃん、あんないい娘なのに。お父さんが悪人だなんて、そんな筈ないよ!」
そう、あっていいはずがない。
先日のことを思い出す。瑠璃子は、時に頭に血が上って周りが見えなくなる欠点を自覚していた。グッと堪えて冷静に対応するのはとにかく苦手で、熱くなると直感で行動してしまう。
だから時々、負の感情を爆発させた挙げ句、場を白けさせてしまうことがあった。それじゃいけないと思って、出来るだけ普段から、明るく、明るく振る舞うように努力してはいたが、それでもデシネのような連中にしてやられたりすると――全てを忘れて怒ってしまう。
『可愛かったね、あの熊』
実際、美也子にとって、熊なんかどうでも良かったのかもしれない。けれども彼女はそうして、息詰まった空気を転換させる言葉を思い付き、口にする勇気があった。
勇気。
そう、誰かが怒ったり、泣いたりしている。理性を失った人間に関わるのは、酷く面倒な事だし――その感情がこちらに向けられかねない。
だから大抵の人は、そんな場に居合わせてしまったりすると、見て見ぬ振りをしたり、足早に立ち去ったりする。
でも彼女は、そうした時に自ら進み出て、場を納めようとする勇気があった。
素晴らしい力だと思う。それはゲームで勝つのに必要な反射神経や状況判断力なんかより、とてつもなく、素晴らしい力。
自分も、あぁなれたらいいのに。
そう、思っていた。
彼女のように、普段からニコニコして、フワフワしていて、それでいて必要な時に、必要な事が出来る人に――
「その報告書、見せて。頑張って読んでみるから!」
羽場からCELLに転送して貰って、小さな画面で難解な用語の並ぶ報告書を読み解いていく。殆ど単語毎にネットの辞書を検索しなければならず、なかなか先に進まなかったが――二時間ほど羽場と共同で解読を進めていくと、次第に、全貌が掴めてくる。
やはり、内容からして――美也子の父親が、何かをしていたとしか思えなかった。
「変だよこれ! だいたい羽場ちゃんは、美也ちゃんのお父さんが被害者だっていう噂を拾ってきたんでしょう? どういうことなのこれ!」
とても納得出来ずにCELLから目を離して叫ぶ瑠璃子に、羽場は酷く疲れたように肩を落とす。
「噂は噂さ。元々サイファーはブラックなイメージが強かったから、そこに勤めてた予算部門の人が自殺したってことで、みんなサイファーが悪いって方向に想像しただけかも」
「そんな――」
そんなの、あっていい筈がない。
あんな温厚で、穏やかで、いるだけで場を穏やかにする娘のお父さんが――そんな、悪い人だなんて。
「だから云ったじゃん? ボクらに出来ることは、美也ちゃんが戻ってくるまでに――熊の着ぐるみを用意することだって」
サルサパリラの毒々しい液体を口にしてから云った羽場に、瑠璃子は信じられない思いで目を剥いた。
「え? なにそれ!」
「そう大声出さないでよ。ただでさえ壁が薄いんだから」更に言葉を浴びせようとした瑠璃子を遮り、彼は続けた。「聞いて。そりゃ、もっと調べたいなら幾つか手はある。手はあるけれども、ボクらは会社の会計とか、そういうのに関して無知すぎる。だいたい状況証拠からして、美也ちゃんのお父さんは――真っ黒ではないけれども、ルリちゃんの目の色くらいの黒さはあるよ。とてもこれを覆す証拠が出てくるとも――」
「なんでそう、諦めるの! 羽場ちゃん、スーパークラッカーでしょ? 【いい】クラッカーなんじゃなかったの?」
「それも勘違いだ」彼は殊更に言葉を深くし、呟いた。「【いい】クラッカーなんて、存在しない。ボクのやってることは、ただの違法行為だよ」
「それでも、それで別の悪いことを明らかにしてるんじゃあ――」
「違うよ。それって単に、結果としてそうなったこともあるだけで」
「じゃあ、どうして美也ちゃんのことを調べようと思ったの? どうしてサイファーを――」
詰め寄る瑠璃子に、彼は俯き――小さな溜息と共に、膝の上で空になった瓶を両手に包んだ。
「単に、騒ぎに火を注ぎたかった。それだけなんだよ。面白いよ? 何か悪巧みしてる連中の秘密を暴くってさ、もの凄い騒ぎになって! それにそれだとさ、ボクも全然罪悪感感じなくて済むし」
「冗談やめて」
鋭く云った瑠璃子に、彼は再び、小さく溜息を吐く。
「そりゃあ本当に美也ちゃんのお父さんがサイファーに殺されたんなら、それを断罪するのもいいけれども――最初から期待はしてなかった。大抵、隠された事実ってのは――予想外な物だったりするんだよね。まぁそれが面白いんだけれども――」
「面白い?」
「ルリちゃん、今日云ったね? どうしてジャンプは、バンド・デシネのような連中を放置しておくのか、って。何故ならデシネの構成員の名前や正体を暴いたからって、何がどうなるとも思えないからなんだ。きっとその辺の頭の悪い餓鬼やら、ストレス溜めた社会人ばっかりに違いないし――」
「どうして! 羽場ちゃん、それだけの力があるのに、どうしてそんな――」
「わかりきってることを調べるのに、何の意味があるってのさ」
「それはだって、正義とか、そういう――」
「正義? 正義って何さ。ボクには良くわかんない。デシネを叩き潰すのが正義? どうだろう。彼らは云わば、ネット世界の必然的な存在のような気もするし、彼らを叩き潰したからって、誰しもが幸せになれるとも思えない」
「それが――幸せの、話?」
彼は黙り込み、じっと膝の上に目を落とす。
そしてパッと瞳を上げると、酷く疲れた様子で両腕を開いた。
「難しいよ。色々と難しいし、わからないことが沢山ある。でもさ、そんなこと忘れて、パーッと楽しんだ方がいいじゃない! 人生は毎日パーティーだよ。悪いことしてる連中がいてさ、ソイツらの隠してることを暴くんだ。で、みんな大騒ぎでパーティーの開幕! これほど楽しいことはないよ」
パーティーの、開幕?
単に大騒ぎしたいだけで、あんな高度な技術を身につけ、あんな危険なことを繰り返してる?
とても信じられない。
信じられないが、それ以上、彼の心の中に踏み込む勇気は、今の瑠璃子にはなかった。
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