第1話『誕生!?魔法少女アカリ!』
――――――――――
「ふぇ〜〜!遅刻遅刻〜〜!」
わたし、明音あかり!
どこにでもいるふつうの中学1年生、のはずだったんだけど……
大大大ピンチ!新学期そうそう寝坊しちゃった〜〜!
「あはは……大変だったね、あかりちゃん……」
「ホントだよぉ〜……目覚まし壊れてるなんて大大大ショック〜〜」
この子は図書委員の風間かすみちゃん、小学校からの大大大親友なの!
とっても読書好きで、勉強もすっごく得意なんだ!でも……
「それに朝ごはんも食べてないなんて、超ショックだね……朝食だけに」
こういうギャグはいつまで経っても慣れないなぁ……
――キーンコーンカーンコーン
「……で、あるからして……すなわち……」
今朝の夢、なんだったんだろう……なんか、暗いところにいて、誰かに何かを必死で呼びかけてたような、うーん……あんまり思い出せないや。
今朝も誰かに見られてたような気がするし……
「明音くん、明音くん!まったく……聞いてるのかね!」
「ひゃいっ!?」
考え事してたら先生に怒られちゃったよ〜
(ほら、このページこのページ)
(ありがとうかすみちゃ〜ん!)
キーンコーンカーンコーン――
「あかりちゃん、一緒にお昼食べよ!」
「うん、お腹ペコペコだよ〜」
私のお弁当は毎日ママが作ってくれてるの、今日は……うう、慌てて走って来たから寄っちゃってる……せっかくの玉子焼きが〜
「あちゃー……じゃあ私のからあげ一個わけてあげるね」
「いいの?ありがと〜!かすみちゃんには助けられっぱなしだよ〜」
「ううん、私もあかりちゃんにいっぱい助けられてるから。あんまり友達がいなかった私に話しかけてくれたり、とか」
懐かしいなぁ……かすみちゃんと最初に話したのは、五年生のクラス替えの後だっけ。
――風間さん、わたしも一緒に帰っていいかな?
うん、えっと……
明音あかり、『あかり』って呼んで!
よろしくね、あ、あかり……ちゃん。私も……『かすみ』でいいよ
うん、よろしくね!かすみちゃん!――
それに、かすみちゃんが図書委員だったから図書室に会いに行ったりもしたなぁ。
――かすみちゃん、今日は図書委員の当番?
うん、貸し出しの受け付けやってるんだ。あかりちゃんも何か借りてく?
どうしようかな……あんまり難しいのはちょっと……
だったらこのファンタジーはどう?面白いし読みやすいよ?
ありがとう!むむむ……おおっ!……そっか……
ふふっ、夢中みたい――
――――――――――
「終わったー!かすみちゃん、一緒に帰ろ?」
「ごめんねあかりちゃん、今日は委員会があって……」
「ううん、気にしないで!じゃ、また明日ね!」
「うん、また明日!」
『また明日』じゃなくて、待ってでも一緒に帰ればよかったかも。
……なんて気持ちになるとは、数時間前まで思ってなかった。でも――
帰り道。晩ごはんのこと、宿題のこと、それからかすみちゃんの事を考えながら歩いていると、突然目の前が眩しく輝いて、そしてすぐ真っ暗になった。
「あれ……ここは……」
暖かくて、それでいてさわやかな風に吹かれて目を覚ますと、わたしは辺り一面に広がる野原に倒れていた。
「よかった、やっと見つけたよ!」
声がした方に振り向くと、そこにいたのは……
「おまんじゅうみたいな……猫ちゃん?」
「ボクはテップ!キミにこの世界を救ってもらいたいんだ!」
後から知ったけど、この子はアンゴラウサギっていうウサちゃんにそっくりみたい。猫じゃなかったんだ……
「救う……って、どうすればいいの?魔法少女みたいな?」
「ごめん、いきなり過ぎたね。世界を救ってもらうっていうのは……え!?確かにボクが言いたかったのはそういう事なんだけど、やけに飲み込みが早いね……」
そうだ、大大大事なことを聞いておかなくちゃ。
「元の世界には戻れるの?魔法を使いすぎると何か悪いことがあったりはしない?誰かと戦わないといけないならそれが誰なのかも教えて!それからそれから……」
「い、いっぺんに聞いてくるね……確かに大事なことだけども……」
それから、テップはいろんなことを説明してくれた。
この世界・ナイアルランドは魔法の国で、時間の流れが違うからこっちにいる間は元の世界の時間が経たないこと、『魔王』って呼ばれてる人がこの世界が滅ぼそうとしてるから止めてほしいってこと、それができるのは強い魔力――心の力――を持ったわたしだけだってこと。
そして……今はこの世界の危機で出入り口が閉じちゃって、すぐには帰れないことも……
「そうだ、あとひとつだけ聞いておきたいんだけど、戦い続けてたら怪物になっちゃったり、逆に戦わなさすぎると怪物に食べられちゃったりはしないよね?」
「なにそれ!?そんな事ないって!?ボクを信じてとしか言えないけども……」
「大大大丈夫!あなたの目を見たらホントのことなんだなって分かったから。質問攻めにしちゃってごめんね。よろしくね、テップ!」
「うん、よろしく。ボクこそ無理やり巻き込んでしまってごめんよ、でもキミにしか頼めないことなんだ」
「うん、任せて!そうだ、その時になって慌てちゃわないように、試しに変身してみていい?」
「うん。呪文が心に浮かんでくるはずだから、それを唱えるんだ!」
すぅ、と深呼吸して、わたしが唱えたのは――
「目覚めて!わたしの中の、無限の力!」
呪文に応えるかのようにわたしの全身が光の繭に包まれる。その光を浴びたブレザーが姿を変え、フリルのついた魔法少女の衣装になっていく。
光の魔法少女 あかり
Lv:1
HP:128/128
MP:40/40
魔法威力:23
魔法防御:17
スキル:
浄化C+:
飛行E:
「なるほど……なかなかの才能みたいだね、ボクの目に狂いはなかったようだよ。」
「こういう感じなんだー!かわいー!」
「ものは試しだ、あそこの岩に
テップは遠くに見える岩を指した。
「ホントに思いっきり撃っていいの?大大大丈夫?」
「うん、あの辺には誰も住んでいないし、流れ弾の心配もいらないよ」
「わかった、じゃあ……えいっ!」
――あかりの引き絞った弓から放たれた光の矢は大きく上に逸れ、岩のはるか上空を通り過ぎていった……かに見えた。
その直後、白い柱と見紛うほどの極太の雷撃が降り注ぎ、岩と辺り一帯を消し炭にした――
「あっ……
「ちょ、ちょっと待って!?今のは!?」
「そっか、テップになら見せても大大大丈夫……というか、見せといた方がいいよね。じゃあ[
極限光輝の魔法少女神 インフィニティ∞あかり
Lv:3578
HP:25683912/25683912
MP:6293514/6293514
魔法威力:758239
魔法防御:539248
スキル:
浄化SSSS++:
飛行SS:
看破SSS:
神具召喚SS:
神具召喚S:
神具召喚A+:
因果操作SS+:
射撃強化SSS:
ステータス秘匿S:[
不死S:
不老S:[
etc……
これが、[ステータス秘匿]系最上位スキル[
「何そのスキル名!?魔法少女が持ってていい字面じゃないよ!
「あはは……実は前から魔法少女やってて」
「いや、前からとかじゃなくてもう神様でもビックリするレベルだよ……絶対おかしいよ……」
「この世界みたいに時間の流れが違うところでいーっぱい修行したり、戦ったりしてたらいつのまにか……だいたい250年間くらいかな?……あれ!?テップ、どうしたの!?ねぇ!」
びっくりしすぎて目が回っちゃったみたい……ごめんね。
テップの背中をさすってあげながら、はるか遠くまで続く、果てしない青空に目を向ける。
そして、ここからわたしの大大大冒険が始まる――
☆今回の注目スキル☆
看破SSS:
相手の目を見るだけで、ウソをついてるかどうかが分かっちゃうすっごいスキル!変身してなくても使えるの!
「目を見れば分かるってそういうことだったんだね……」
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