極限突破魔法少女!インフィニティ∞アカリ
まっどねすわんこ
魔法少女アカリ最終回『きらめきのアカリ』
「どうしてあなたはみんなの笑顔を奪おうとするの!?」
全てを覆い閉ざさんばかりの深い闇の中で、彼女――光の魔法少女・あかり――は叫んでいた。その目に浮かぶ涙は、強大な敵への恐れによるものでも、大切なものを守れない無力さによるものでもなかった。
「教えて、暗黒魔導師アクド・ゾース!ううん、大賢者クドス!あなたは、みんなの幸せを守るため……みんなを笑顔にするための研究をしてたはずなのに、どうして!」
「……必要ない」
その“暗闇”が、正確には肉体すら失い闇そのものと化したアクド・ゾースが応えた。
「何が幸せだ、何が笑顔だ!そんなものは所詮『欲望』を都合よく言い換えたにすぎん!そのようなものがあるから、人は己の幸せのために他者の幸福を踏みにじり、己が笑うために他者に悲しみを振りまくのだ!だから!」
あかりの頬を伝う涙、それは、アクド・ゾースの苦しみに気付いてのものだった。
「そっか…あなたも辛かったんだね…でも!」
あかりは満身創痍の身体を引きずって、弓を引き絞る。
周囲は暖かな灯火に包まれ、放たれた一筋の光は闇を貫いた。
「みんなが幸せになる方法、みんなが笑顔になる方法だってあるんじゃないかな?」
あかりの
「あのね、人間界にいた頃はよくお花を植えてたんだ。それだけで、みーんな笑顔になれるの。わたしのいた人間界には、この世界みたいなすっごい魔法はないけど、こうやって誰かの幸せを奪わなくたって他の誰かを幸せにできるの。だから……あなたみたいなすっごい魔法使いだったら、もっと、もーっとたくさんの人と一緒に幸せになる方法をいつかきっと見つけられるんじゃないかなって」
闇の中から、這い出す人影があった。
「……なぜ……何故だ………」
ヒトとしての肉体を失ったはずのアクド・ゾースは、全身全霊の
「何故私に止めを刺さない!また直ぐに同じ過ちを繰り返さないとも知れないというのに!」
だが、あかりは分かっていた。その必要がないことを。
「いちど間違いに気づけたなら、大大大丈夫!道に迷っても、次はもうやり直せる。だから……」
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