第三章 デートへ行きましょう 5
本当に
いなくなるのもいつものことなので、
らーめん屋から少し歩けば、すぐにショッピングモールには
広い
色んな店を回りたい、という彼女の提案に乗って、
とはいえ、ほとんどが
よく、女性に付き合わされる買い物はつまらないと聞くけれど、
それをいっしょに探すのは
しかし、あまりにも
「わたしは自分の
という言葉を
あとは
しかし何より、このシチュエーションがそれこそカップルのようで照れくさかったのだ。
「ふふ」
「どうしたの」
「いやぁ、男の子といっしょだと服屋周りも楽だなって。ほら、わたしの場合ってすぐ男の人が寄ってくるから。店員さんかと思ってたら、その店員さんに口説かれることもあるからねぇ」
……そういう意味では確かに楽なのかもしれない。
実際、彼女は目を
ただ、彼女は楽だからいいと言っているけど、
それって、
近付く男たちが
そのあとは
「でも、
「お。
「つばさの相手させられるのはいつも
「へえ。つばさって運動神経いいのによく相手できるわねえ。それならわたしとも、ひとつ勝負しよっか」
「むう」
とはいえ、やるのはビデオゲームではなく、体感ゲームやクレーンゲーム、あとはプリクラが主なようだ。
そんな彼女に合わせて、
とはいえ、さすがにプリクラはやらないだろう。そう思っていたのだが、彼女はゲーム機の前を通ると
「せっかくだからやっておきましょうか、
「ちょ、ちょっと
中は想像以上に広かった。真っ白なカーテンに囲われていて、モニターからは音声が
「え、本当に
プリクラなんて
「なによぉ。わたしと
ふてくされるような声を上げながら、彼女はモニターから目を
「……
「素直でよろしい」
ゲーム機の仕切りの中は広かったけれど、それは
引きで
彼女の
たやすく
「ほら、
彼女はカメラ目線でにっこりと笑う。
「お、いい感じに
その差異が何だか
「なんてね」
そう言って彼女は、照れくさそうに笑うのだった。
しばらく待つと、仕上がったシールが
「でも、せっかく
「………………」
しかし
もうこの
散々歩いて遊んではしゃいだせいか、さすがに
入店を知らせるベルが
「あぁ、
彼女はぽすん、と
「ここのチーズケーキは絶品でね、絶対食べたいと思ってたんだー」
ご
店員さんの「
「あ。七夕祭りのチラシが
店の
子供が
その中で大きく書かれた「七夕祭り」の文字。場所や日時もしっかりと書かれている。
七夕祭りは毎年
けれど、その辺りの子供たちにとっては楽しみなお祭りなのである。小さい
「もうそんな時期かぁ。ね、
「いや。去年は行ってないなぁ」
「……昔はいっしょに行ったわよね。覚えてる?」
ちらりとこちらを
「楽しかったな。そんなに派手なお祭りっていうわけじゃないのに。
そんな風に言われると、遠い思い出が
いつもは静かな神社の前が、そのときだけは
どこからか聞こえる
そして、
自然と、当時の思い出が
「……あぁ、そうだ。確か、どこに
風景が頭の中に
「あったあった。でも、なぜか
よく覚えている。
お祭りから
屋台とともに並んだ
しかし、
「あのときは疑問に思わなかったけど、だれがあんなところに用意したのかしらね。今も用意されるのかなぁ」
ぼんやりと言う。
「……ね。まだあそこに
視線を
「ダメかな」
そんな顔で言われてしまえば、だれであろうと断れるはずがない。
彼女の
「えへ。今度はわたしからさそっちった」
ふにゃっとした笑みを
「それじゃ、約束ね。もう予定帳に書きこんじゃうからね。ダメだって言ってももう
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