第二章 駆け抜けろ青春、まるで転がり落ちるように 2
「
「……そうだね」
「じゃあ、はい」
女の子と手を
「そんなに
「……いや。
そういうもんかね、と
しかし、あまり
女の子って、こんなにも小さくてやわらかかったのか。
その反面、
しかし、それは
そこでようやく、力を入れたのは
彼女の
「お、男の子の手って、結構ゴツゴツしていて、
声の
「あの、
「あ、う、うん。そうだったわね。行きましょう」
何かを話せばいいのかもしれないが、頭の中が真っ白になって何も言えない。話題を探しても見つからない。ただただ、自分の左手に神経を集中させてしまう。
やわらかくてすべすべした、彼女の小さな手。それを
女の子とふたり、手を
世の中のカップルはみんな、こんな思いをしているんだろうか。
「あぁ、ダメだこれ」
そのせいで
「思った以上に
「多分だけど、
「まぁ、世界一かわいいわたしが相手だからね。二万倍はドキドキしてもらわないと、
そう言って笑う。そのおかげだろうか、
彼女の横顔を
階段を通り過ぎれば、あと数秒で終わり。そこで
「……だから、前から言っているように……」
「……でもそれは……」
だれかの話し声。だれかが階段を
彼女と
ならば、
「あの
そう言って、
「もう下校時間が過ぎてる。多分だけど、階段を
「……それだと、こっちまで歩いてくるのか。
「…………」
彼女は
どうする。どうする。
立ち止まって、辺りを
「そうだ、トイレ……」
言いかけて、これはダメだ、と首を
しかし、もし先生がトイレを確認したらどうする。男女が同じ個室に入っているのを見たら、どう思うだろう。そんな危険な
階段を
何かないか。何か。必死で辺りを見回しても、やはり
「……! そうだ、
案の定、中には数本の
「
「へ……?」
彼女を
しかし、無理に入ろうとしたせいか、中から
けれど、先生がもう
ギリギリで間に合ったようだった。閉めた
はぁ、と大きく
「あ、あの……、
「ん……?」
すぐそばで彼女の困ったような声が聞こえてくる。本当にすぐそば。息のかかる
彼女の身体のほとんどが
どれもが
身体の至るところがくっついてしまっているのは、当然、
そうなってようやく、
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