80 神崎鈴羽は、せんぱいに構われたい。 みゅう様

 人は何かにトチ狂うとラブコメを書き始める(偏見)


 衝動とかパッションとかそんなもんじゃねえ。


 色々なことが重なって、なんかラブコメを書いてしまっているのだ。


 勝手に書いているのに愚痴みたいになっているのはおかしな話だけど、自分の中の色々な一面がいるのだ。


 なんとなく考えてたのだから別にいいじゃないか、とか。


 お前書く気ないって言ってたのにいきなり書き始めるとか、言行不一致じゃないか恥をしれい、とか内なるサムライが騒ぎ出すんです。


 まだ書き途中の話を自分でチェックしてみる。


 じー。


 うん、












 これ完全にラブコメじゃねぇな←だとしたらジャンル詐欺じゃねえか。


 僕はどうがんばってもラブコメが書けない。遠藤です。


(このオチで始めようかと思ったけど、こんなタイトルの物語があるんじゃないかと思って調べてみた


 近いものがあった





「JKマンガ家の津布楽さんは俺がいないとラブコメが描けない」


 やっぱりあった。


 絶賛発売中だよ!


 読んだことないけど)





 神崎鈴羽は、せんぱいに構われたい。 みゅう様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888242803


 大学生の隆之は、とある悩みの種があった。


 いつも失礼で、いつも騒がしい。


 元気いっぱいで一緒にいると疲れる後輩、神崎鈴羽に付きまとわれることだ。


 カラオケに誘われたり一緒にゲームをしたり、特に趣味がないはずなのに、日常は割と騒がしい。


 構われたい後輩に付きまとわれる系ラブコメディ。





 もうね、一話を読んだ時からある漫画が離れない。


「宇崎ちゃんは遊びたい」っていうとってもウザ可愛い後輩(巨乳を通り越して爆乳)にウザく絡まれるっていうコンセプトの漫画。


 しかも主人公が大学生というところも共通しているから、大分混乱してしまった。


 というか、この物語を終わった後に宇崎ちゃんを読み直してしまったものだから、この物語のエピソードとごっちゃになったけど、再び少しだけこの物語を読み返したことで事なきを得た。やったぜ(二度手間)


 文章はバランスが良くて読みやすい。


 世界観も平和な感じで、安心して読めるといった印象かな。


 何より、コンセプトがはっきりしていて、タイトルに関して抱いた印象にきちんと合っているものが読める、というある意味当たり前なところもポイントが高いように思う。


 一緒にカラオケに行ってラブソングをデュエットしたいって誘われたり、ことあるごとに付きまとわれる感じは「こんな大学生活を送りたかった……」という悲しい願いを満たしてくれる。


 個人的な好みとして、やっぱりせんぱいって慕って絡んでくれる系の子が好きなんだなあと改めて実感した。一体なんの影響なんだろうとか、自分の人生を振り返ってみたくなる。





 主人公は特に無趣味で無個性な感じではあるけれど、本人なりの芯がある様子はいいと思うな。


 過去に恋人がいたという設定は、大学生ならではという感じがする。流行っているラブコメとかって、高校生が主人公であることが多いし、これが物語で出会った女の子との恋愛が初めてということも多いから、少しだけ人生経験があるように思われる。


 好きな子と恋人になりたいと思うっていうのは当たり前のことだけど、なんだかんだで人は好きって言ってもらえるから好きになったりするわけで、自分自身の意思とか考え方を優先している様子は、自分自身を持っているように感じる。


 それにしても、この物語を読んでると、高校生の方がよっぽど乱れてるじゃねえかみたいな、フィクションに言ってもしょうがないことを思う。


 ざっと読み通したラブコメものって、やれパンチラするは気づいたら胸揉むわ着替えシーンを目撃するわ、いやお約束だというのはわかっているのだけれども。


 そういったお色気に頼らないところも、けっこう好みかもしれない。


 別にお色気シーンが嫌いなわけじゃないんだけど、「脱げば喜ぶんでしょ!」的な餌をぶら下げられる感じが多分違うのだ。めんどくさがろうが、餌は自分で調達したいというのが、男心なのではなかろうか。


 向こうが脱ぎだすよりも、こちらからシャツやらなんやらを脱がせる瞬間というのが、一番興奮を誘うのだ。いや僕の話じゃなくて、そういうわけじゃないですよあくまで一般論という奴ですよ!(必死)


 話が逸れかけたけど、もう何回も出てきた「かぐや様は告らせたい」なんかもお色気シーンはほとんどないし(話がもっと逸れてる)。


 だからこそ、本編のエロスピンオフという珍しい物語まで出ているわけだし。まさか本編の弱いところを「かぐや様は告らせたい 同人版」というスピンオフで補うとは、発想がすげえおもしろい。


 本編をディスるように書かれた「パンチラのないラブコメは欠陥である」の一言には含蓄がありすぎる。それも狙った上でのネタだということはわかっているけれども。





 もはや脱線は芸だとは思いつつも、読んだのだから感想を続けよう。


 鈴羽は構われたいという割に、案外主人公の予定を優先するところには、思慮深さがある。


 他の女性とデートしているところ(この主人公、けっこう頻繁にそういうことをしやがりますぜうらやまs)に遭遇しても、相手の女性と出会わないようにすぐに退散したりする。


 きちんとせんぱいへの恋心の自覚はしているけれど、なかなか関係は進展していかない。そんなところにやきもきしている姿は、案外可愛らしい。


 大胆で元気に見えて、それは案外憶病の裏返しとして描かれていて、そういった心の揺れというものが、恋愛における醍醐味なんだろうなと改めて実感させられる。


 この物語は一連のストーリーとして流れていくというより、エピソードを積み重ねていくといった感じの物語だ。


 カラオケをしたり、誕生日を祝われたり、友人にからかわれたり。


 なんでもないエピソードの積み重ね。


 それでキャラクターの思いを知り、関わっている関係を知り、過去の出来事や想いを知る。


 そうして少しずつ積み上げられた世界を眺めているうちに、ちょっとずつキャラクター達を好きになっていく。応援したくなる。


 超スピードで進んでいくのではなく、日常をとても大事にしている物語。


 温かなコーヒーと共にゆったりと読むのには、いいのかもしれない。





 で、そこが長所でもあり短所でもあるのだ。


 女性の登場人物がけっこう多くて、主人公はいろいろな人とデートを重ねるので、話の進みはゆっくりなのだ。


 恋模様を眺めることは面白いことなんだけれど、なかなか進まないところはじれったいかな。


 じれったいというと、続きが気になるから早くといったニュアンスがありそうだけど、正確に言うと、ゆっくりの動きで少し飽きがくる。


 山場があるというよりは、なだらかな平原がずっと続いているといった展開なのだ。


 なだらかな丘陵は昇って散歩をするのには最適だけれども、山を登るみたいなキツイけど得られる達成感があるわけではないのだ。


 そういうところはきっとバランスを取ってもいいのかもしれないかな、というのが印象だった。


 時折あからさまなドキッとするスパイスが欲しいかな。


 苦労したり揺さぶられた心が戻った時、その落差は心に刻まれる感じがするのだ。


 とはいえ、恋になりそうで恋にならない、この絶妙な距離感というのも捨てがたい。


 穏やかで平穏。ゆったりと進んでいく恋もまた、恋なのだろう。





(コイツなんでこんなにラブコメについてごちゃごちゃ言うくせに書けないんだろうか)←唐突な自己批判





 約459万6千。





 ちょっとウザくて煽ってくるけど世話焼きで照れ屋で爆乳な後輩ってどこに落ちてるんだろうなあ(救急車ー)

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