03.森の中の小さな家

 千鶴が立っていた木の影から、灯りの見えた場所までは、思っていた以上に距離があった。三十分以上は歩き続けただろう。雪に足を取られなければ、もう少し早く辿り着けていたかもしれない。途中で何度かくじけそうになったが、その度に自らを奮い立たせ、決して足を止めることはしなかった。

 微かな灯りだけを頼りに歩いてくると、そこには思いの外立派なログハウスが建っていた。玄関扉の上にランプの炎が燃えている。千鶴が見たのは、どうやらこの光だったようだ。カーテンの隙間からも、あたたかそうな光が漏れているので、人がいることは間違いない。

 ほっと安堵の息を漏らした千鶴は、じりじりと音をたてて燃えているランプの下に立った。外は風が吹いているというのに、ランプの炎は不思議と揺らいでいない。普通ならば、風に吹き消されてもおかしくはないはずだ。


「ごめんください」


 千鶴は扉を叩いて言った。


「夜分遅くにすみません。誰かいらっしゃいませんか?」


 声を出してみて初めて、千鶴は自分が思っていた以上に疲弊していたのだということを自覚した。この弱々しい呼び声と扉を叩く音が、室内まで届くとは思えない。だが、頭上で燃えているランプの炎を見ていると、不思議と心があたたかくなり、気力が湧いてくるのを感じた。

 しかし、扉の向こう側まで声を届けようと、もう一度ノックをしようとした千鶴の手は、空を切った。少し軋んだ音を鳴らして扉が内側に開くと、驚くほど眩しい光が千鶴の目をくらませる。そこに誰かが立っていることは分かるが、黒い影としか認識することができない。


「このような夜更けにすみません」


 今が何時なのかも分からないが、千鶴はまず、そう言って非礼を詫びた。失礼なのは承知の上だが、背に腹は変えられない状況だ。千鶴は眩しさに目を細めながら、ゆっくりと頭を下げる。


「森の中を歩いていたらこの家の灯りが見えたので、立ち寄らせていただきました。少しあたたまらせてはいただけないでしょうか」


 そう言って千鶴が顔を上げると、目の前に立っていた人物が、はっと息を呑むような気配があった。それを不思議に思った千鶴は、更に目を細め、その人の顔をよく見ようとする。


「おやおや」


 ああ、よかった、優しそうな男の人だ――千鶴はそう思った。

 やっとその表情を捉えることができた時、朗らかな声が千鶴の鼓膜を震わせた。その人は穏やかそうな笑顔を浮かべて、千鶴をまっすぐに見下ろしていた。


「このように雪深い辺鄙な森の奥までよくいらっしゃいましたね」


 その人は、見たところ四十歳前後で、とても物腰がやわらかそうな男だった。背筋がすっと伸び、実際よりも身長が高く見える。若い頃は恐ろしく美しかったに違いない。今でも思わず見惚れてしまうような容貌をしていた。


「さあ、どうぞお入りください」


 耳に心地よい声が、千鶴を快く招き入れようとする。だがしかし、この時になってようやく、千鶴の心に猜疑心が芽生えた。けれど、明るくあたたかそうな家の中は、今の千鶴にとって何よりも魅力的な誘惑だ。それに加えて、甘く美味しそうな香りが漂ってくると、もはや促されるままに足を踏み入れるしかない。

 家の中は、清々しい木の香りで満ちていた。古い建物のようだが、少しくすんだ色をしている木の床は、良く磨きたてられている。千鶴は祖母と遊びに行ったペンションを思い出していた。不思議な模様の、僅かにくたびれた絨毯が敷かれ、木の肘掛け椅子に背凭れのない足の短い椅子、そして足置きが、レンガでできた暖炉の前に並んでいた。

 薪の爆ぜる、ぱち、ぱち、という音が懐かしい。ゆらゆら揺れながら燃えている炎の様子を、立ったままぼんやりと眺めていると、背中を優しく促された。


「こちらに座ってお待ちください。あたたかい飲み物をお持ちしますからね」


 男はそう言うと千鶴を肘掛け椅子に座らせ、部屋の奥へと姿を消した。

 暖炉の中で燃えている炎が少しずつ、千鶴の凍えた身体を溶かしていく。肌がちくちくと針の先で突かれるような痛みの後で、それが段々と鈍い痺れに変わっていった。

 ここは一体どこなのだろうと考えながら、千鶴は何らかの手掛かりを求めて、周囲に視線を巡らせた。

 一番に目に飛び込んできたのは、壁に飾られた大きな一枚絵だった。青と白の小さな花々が一面に咲き誇る丘の絵だ。遠くの方には光り輝く湖面が窺え、緑の草原は風にそよいでいるように見える。目の錯覚かと思った千鶴は目を大きく見開くと、椅子に座った格好のまま身を乗り出し、その絵をまじまじと眺めた。

 その絵は確かに動いていた。まるで動画のようだ。じっと凝視していると、春の匂いが薫ってくるような気がする。

 他には飾り気のない部屋だが、簡素ながらも、どこか落ち着ける空間だった。初めて訪れた場所だというのに、千鶴にはなぜか懐かしく感じられた。


「何か面白いものでもありましたか?」


 きょろきょろと辺りを見回している千鶴の背後から、男は朗らかに声を掛けてきた。驚いて後ろを振り返ると、男はゆったりとした足取りで近づいてくる。両手で抱えていたトレイには、マフィンのようなお菓子とお椀が乗せられていた。

 慌てて姿勢を正した千鶴の隣に膝をつき、その男は自らの腕に掛けていた布を差し出してくる。


「これで髪を拭いてください」

「あ、ありがとうございます」

「お腹は空いていませんか? 今はこの程度のものしかご用意できず、申し訳ないのですが」

「いえ、あのっ、お構いなく……」


 暖を取ることができればそれだけで構わなかった千鶴は、大袈裟に見えるほどの身振り手振りで恐縮してみせた。すると、男は僅かに目を丸くしてから表情を和ませ、軽く息を吐く。

 本が置かれていた丸テーブルにトレイを預けると、千鶴の顔を覗き込んで、首を横に振った。


「このような辺鄙な場所に住んでいると、お客様が訪ねて来てくださることなど、ほとんどありません。ですから、精一杯のおもてなしをしたいのです」

「は、はあ……」


 相づちともため息ともつかない曖昧な声が出て、千鶴は断るタイミングを失ってしまった。ちらりと丸テーブルの方を一瞥してから、男を窺うように見る。


「それなら、その、いただきます」


 優しい笑顔を向けられてしまっては、せっかくの好意を無下にすることもできない。千鶴は感覚を取り戻しつつある手を伸ばすと、男の手から直接渡されたお椀を受け取り、両手で包み込んだ。まるっとした陶器のお椀は、千鶴の手に良くなじむ大きさだ。

 お椀を受け取る時、男の手が右手に少しだけ触れたが、艶めいている水面に見惚れていた千鶴は、それを気にも留めなかった。


「山羊の乳です。蜂蜜をたっぷり垂らしてありますから、甘くて美味しいと思いますよ」


 お椀を両手で包み込むようにして持っていると、冷えた指先に、少しずつ熱が浸透していくのが分かった。そっと鼻を寄せると、濃厚なミルクと独特な蜂蜜の香りを感じる。

 恐る恐る口に含むと、とろりとした甘みが、舌の上で優しくほどけた。その味は千鶴をとても幸せな気持ちにさせ、身体中に巡っていた緊張感を解きほぐしていくようだった。


「……美味しい」

「それはよかった。では、こちらのお菓子もどうぞ」


 そう勧められ、改めて視線を丸テーブルに向けると、ぐう、と腹の虫が鳴いた。

 一瞬何の音か分からなかったが、自分の腹が鳴ったのだと自覚した瞬間、千鶴は恥ずかしくて堪らなくなった。上目遣いで隣にいる男を盗み見れば、口許を隠してくすくすと笑っている。


「もし足りないようでしたら、まだいくつかご用意できます」


 千鶴は顔に熱が集中するのを感じながら、それをごまかすために、マフィンを手で掴み取って大きく一口齧りついた。そして、ふと思う。ほんの少し前に、雅と一緒にアイスクリームを食べたのは、現実の出来事だったのだろうか、と。

 これが夢だというならば、自分はいつから夢を見ているのだろう――そのことについて考えはじめると、千鶴は途端にお菓子の味が分からなくなった。

 祖母の部屋で雪が降りはじめた辺りから、おかしいとは思っていた。夢だと思っていた。だが、五感はまるで現実のように感覚を刺激する。外の寒さも、この部屋のあたたかさも、確かな空腹も、すべてが本物のように思えた。

 しかし、このようなことが起こり得るはずがない。祖母の部屋にある暖炉を降りたら、そこは見知らぬ白銀の世界でした、などという現象は、本や映画の中での話でしかないのだ。そのような絵空事を手放しで信じられるほど、千鶴はもう子供ではない。


「お聞きしてもよろしいですか?」


 もぐもぐとお菓子を咀嚼しながら物思いに耽っていると、男がそう声を掛けてきた。驚いて喉を詰まらせそうになるが、山羊のミルクでそれを押し流すと、千鶴は小さく頷く。


「どこかに行く当てがおありですか?」

「え?」

「お知り合いがいらっしゃるとか」

「い、いえ、あの……」


 当てなどあるはずがなかった。知り合いもいるわけがない。これは夢なのだ。夢なのに、どうして自分を困らせるのだろうと、千鶴は思う。


「ここは人里から離れています。昼夜問わず歩き続けたとしても、人の足では麓の町まで二、三日はかかるでしょう。あなたがどこへ行こうとしているのかは存じ上げませんが、あなたのようなお若い方が一人きりで行動するのは危険です。最近は賊が出没していますし」

「ぞ、賊?」


 耳慣れない響きに思わず復唱してしまうと、男は嫌に真面目な面持ちで頷いてみせた。冗談を言っているわけではなさそうだが、千鶴にとっては信じ難い話だ。


「込み入った事情がないのであれば、家に帰った方が御身のためです。ですが、夜道を行くのは危ないので、今日はここに泊まっていってください。ご存知の通り、何のお構いもできませんが」

「で、でも、ご迷惑が……私なら、身体があたたまればすぐにでも出ていきます」

「迷惑など、とんでもありません。今日は上の部屋に友人が上がり込んでおりますので、朝は少々騒がしくなるかもしれませんが、それでもよろしければ」


 千鶴が返事をする間もなく、男はゆったりとした物腰で立ち上がると、寝床を準備してくると言って、階段を上がっていってしまった。ぽつんと取り残されてしまった千鶴は、どうしたものかと考えながら、蜂蜜入りの山羊のミルクをゆっくりと飲み干した。

 徐々にお菓子の味も分かるようになってくると、つぶつぶとした無花果のような味や、食感が楽しめるようになってくる。遠くの方で香草の香りが感じられるので、ハーブか何かが入っているのかもしれない。鼻に抜ける爽やかな香りは、カモミールに似ていた。


「……それにしても」


 雪国に住んでいる人は夜の危険性を熟知しているが故に、旅人を比較的容易に受け入れると聞いたことはあるが、こうもあっさり泊めてもらえるとは思ってもいなかった。

 だが、あの男の物言いを思い返してみると、自分を歓迎しているというよりは、早く帰したがっているように感じられる――千鶴はそう思いながら、男が上がっていった階段を見上げた。

 やはり、今すぐにでも、あの祖母の部屋まで戻った方がいいのではないだろうかと、千鶴は自らの直感がそう告げているのを感じていた。何か良くないことが起こりそうな胸騒ぎがしている。

 そう、昔はこうした直感が頻繁に働いていたのだ。そして、それはことごとく的を射ていた。祖母もそうであったように、かつては千鶴自身にも、同じような第六感が備わっていた。

 上から降りてくる足音が聞こえてくると、酷く唐突に、言い知れぬ恐怖心が千鶴に襲い掛かった。咄嗟に二の腕を抓って目を覚まそうとするが、涙が出るような痛みしか感じられない。意識が遠退いていく感覚さえなかった。

 自分はなぜここにいるのだろうと考えながら、千鶴は顔を青ざめあせた。夢ならば、なぜ目覚めないのだろうと不安になる。


「よろしければ、これに着替えてみてください。いつまでも濡れた服を着ていては、風邪を引いてしまいます」


 そうして差し出された服は、見るからに女性のものだった。とはいえ、現代の若者が好んで着るような洋服ではない。ファンタジー映画などで着ている衣装のような作りで、言うならば古風なワンピースだ。上半身は身体にぴたりと沿っているが、スカート部分はふわりと長い。生地は上質で、酷く高価そうに見えた。


「狭いですが、こちらの部屋をお使いください」


 水気を含んで重たいコートを、いつまでも着込んでいるわけにいかないことは確かだった。千鶴は多少の抵抗を覚えながらも、椅子から立ち上がると、男の手から着替えの服を受け取った。

 こちらのと言って通されたのは、隣の部屋だった。部屋とはいっても、扉で隔てられてはおらず、白いカーテンで間仕切りされているだけの空間だ。カーテンを引き、先立って入っていった男がランプを灯すと、それほど広くもない部屋の全容が明らかにされた。


「着替えが済んだら、火を消してきてくださいね」

「は、はい、分かりました」


 千鶴がそう言って頷くと、男はくるりと踵を返して、すぐに部屋を出ていった。目と鼻の先でカーテンが閉められる。

 コートを脱ぎながら見渡した室内は、大小様々なガラスの瓶でいっぱいだった。先ほどのケーキよりも強い香りがするのは、それぞれの瓶に、様々な種類の香草が詰められているからだろう。一切窓のない、直射日光の避けられた部屋の壁には棚が備え付けられ、中央には作業台と思われる長机がある。机の上には薬を煎じるような器材が置かれ、それはこの家と同じくらい古びているものの、大切に扱われているのが分かるほど、綺麗に磨かれていた。


「あのう……」


 着替えを終えて暖炉にある部屋に戻ると、男はテーブルの上を片付けているところだった。千鶴の声に反応をして顔を上げると、紳士的な微笑みを浮かべる。

「よかった、寸法も同じようですね。よくお似合いですよ」

 そう言って目を細める表情や物言いに、千鶴は微かな違和感を覚えた。しかし、次の瞬間にはただの思い過ごしだと自らに言い聞かせ、男と向かい合うようにして立つ。


「あの、ええと」

「ルミエール」


 男は言った。


「私は、ルミエールと申します」


 光だ、と千鶴は咄嗟に思った。どのような時でも笑みを絶やさず、周囲を明るく照らし出すルミエール。千鶴は以前にも、その名前を耳にしたことがあった。


「どうかされましたか?」


 急に黙り込んだ千鶴の目を覗き込み、ルミエールと名乗った男は不思議そうな顔をした。すぐさま首を横に振った千鶴は、咄嗟にとりつくろうような笑みを浮かべる。


「私は千鶴といいます」

「チヅル、ですか。美しいお名前ですね」


 見るからに日本人とは程遠い外見と名前の者が、千鶴という名前を理解できるはずがないと千鶴は思ったが、それを指摘するほど不躾ではなかった。他者の名を褒めるのは、万国共通の社交辞令だ。


「この服、ルミエールさんの娘さんか誰かのものですか? 勝手に借りてしまっても大丈夫でしょうか」

「お気になさらないでください。あなたのためにあつらえたと思うほど、よくお似合いです」


 なんて気障な台詞なのだろうと、千鶴はその用意したような言葉に耳が熱くなるのを感じた。

 言っていて恥ずかしくはないのだろうか。いや、これは自分の見ている夢なのだから、自分自身が思考し、言わせた言葉なのかもしれない。そう考えると余計に恥ずかしくなってしまい、千鶴は急いでルミエールから視線を外した。


「……それじゃ、あの、一晩だけお世話になります」


 明日の朝になったらすぐに出ていくと言う千鶴に、ルミエールはにこやかな笑みを浮かべるだけで何も言わない。代わりに、千鶴の腕に抱えられている濡れた衣服を、優しく取り上げた。


「こちらはお預かりして、明日の朝までには乾かしておきます。寝床へご案内しましょう」


 ルミエールは一度取り上げた衣服をテーブルに置くと、軽く目配せをしてから歩き出した。千鶴はルミエールの後ろに続いて階段を上るが、一段一段が高く、注意していなければスカートの裾を踏んで躓いてしまいそうだった。


「足元にお気をつけください」

「あ、はい」


 階段を上りきると、正面と左右に一つずつ、合計で三つの扉が見えた。ルミエールは左右の扉には目もくれず、正面にある部屋を目指して進んでいく。


「散らかっていない部屋がここだけなので、相部屋になってしまうのですが」

「大丈夫です」


 これは夢なのだからと、千鶴は心の中で独白しながら頷いた。

 すみません、と申し訳なさそうに詫びたルミエールは、目の前の扉をゆっくりと押し開いた。すると、部屋の中からすうっと爽やかな匂いが香る。まるで森林浴をしているようで、思わず深呼吸をしたくなるほどの清々しさだ。

 その香りの正体は、すぐに判明した。あまり広くはない部屋の天井から、大量の薬草が下がっているのだ。森の中で採取したものを、この部屋で乾燥させているらしい。


「こちらでお願いします」


 そう言ってルミエールが指したのは、絨毯の敷かれた床の一角だった。とはいえ、ただそこで横になれと言われたわけではない。二重にした敷物と枕代わりのクッション、そして厚手の毛布が既に用意されている。

 しかし、千鶴の目が向けられていたのは、そこではない別の場所だった。

 その寝床のすぐ隣には、ルミエールが言っていた通り、先客の姿があった。まだ幼い男の子のようだ。弟の悠と同じ年頃だろう。あどけない寝顔で、ただ見ているだけでも幸せな気持ちになる。寝相が悪いのか、身体に掛けていたはずの毛布を剥いでしまっていた。

 それでも寒くないのは、その更に隣で丸くなっている毛むくじゃらの動物のおかげだ。男の子とその動物は互いに寄り添い合って眠っている。


「この二人は酷く寝相が悪いので、もう少し離れておいた方がいいかもしれません」


 ルミエールは男の子の身体に毛布を掛け直してやりながら言った。


「寝ている間に蹴られることなど日常茶飯事なので」


 ルミエールは千鶴が寝床に入るまで、部屋を出ていかなかった。

 腰を下ろした敷物は少し硬かったが、毛布はやわらかく、まとわりつくように手触りが良い。千鶴は隣の二人を起こしてしまわないよう静かに横になりながら、頬ずりをしたくなるような心地よさの毛布を持ち上げ、顔の半分を埋めた。


「おやすみなさい、チヅル。また、明日」


 床に膝をついていたルミエールは、千鶴の額にそっと触れながら、囁くようにそう言った。

 ああ、眠りの縁でこんなにも優しく声をかけてもらったのは、何年ぶりだろう――千鶴は部屋を出ていく背中を見つめながら、少しだけ、泣きたい気持ちになった。

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