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 やる気全開の”スーパーバッキーモード”になると、バッキーの私生活はどんどん乱れ……たりしない。逆に分刻みの繰り返しになる。朝6時起床して朝食はシリアル、仕事をして昼12時に肉(鳥豚牛の繰り返し!)中心のランチ、また仕事をして夕方6時に夕食のサンドイッチ、風呂に入って10時に寝る。俺だったら3日で止めるだろう。だがバッキーは3か月やり続けた。完成したmark4と一緒にギネスに載せたいぐらいだ。

 蜂ロボmark4は、モノアイである事以外、とても蜂らしくなった。しかも内蔵リチウムを除去したという。だめだ、さっぱり判らん。

 「レモンに銅板を二つ指して銅線でLEDを繋ぐと点灯する。それに似た仕組みだよ」とバッキーは説明した。

 「それじゃ新型にはレモンジュースが必要?」

 「今のは触媒の例えで必要なのは精製水だ。それとこの新型に関しては、充電器が要らない。蜂の巣の形をした頑丈なケースがあればいい」

 「なるほど、きれいな水をご用意くださいか。かなりエコだし安全だ。きっとオーナーも満足するだろう」

 老舗果樹園だけにmark4を納品して、俺たちはまたmark3の作成と配布に取り掛かった。

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