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 会社は巨大な、というより各地に支店があるベンチャー企業の域でとどまっている。俺はもちろんセキュリティーチームを作ったが、正直、データセンターで何が起きているか(技術者ではないという意味で完璧には)知らない。とにかく俺は人を慎重に選んで、不定期に精神鑑定をさせた。聞こえは悪いが秘密は守るのが当然だろう。俺なりの努力で、社員たちが快適であるように努めた。

 オーナーが増えれば意見も多くなり、時々言いがかりを受けた。モノアイが気持ち悪い(パンフレット写真をご覧にならなかったので?)、飼い犬が吠える(犬の専門家にご相談を)、臭い(そりゃ充電器を一回も洗ってなきゃね)、うるさい(当たり前)、エトセトラエトセトラ……。

 ちょっと困った人々とは違い、特別仕様のmark4を持つオーナーは、受粉の様子をツアーにし、商売を始めた。まあ、果樹園は自然蜂が居なくなって相当の痛手を受けていただろうし、こっちとしても宣伝になる上、労働組合を立ち上げキッチリ機材を保存する、と提示してきた。やって問題はなかった、と思う。俺は養蜂家に個人的に投資していて、決して自然蜂に取って代わろうなど考えなかった。ただ、バッキーのアイデアを野放しにしたくなかった。いつ頃か似たような蜂ロボが商品化されたが、いつの間にか市場から消えてしまった。

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