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 地球上のどこかはいつも春で、俺は北半球と南半球を往復した。会社を作って数年は、冬を過ごさなかった気がする。果樹園のオーナーは彼ら達で農業組合なり、良い品種を求める人脈があって、蜂ロボ達はその人づてに広がった。

 いよいよ蜂ロボを大量配布するにあたって、バッキーは少し妙な提案をした。

 「蜂ロボは必ず現地で生産して、大陸間の移動は絶対禁止。それと例え統計データであっても送信しない」

 「それってかなり面倒だぜ? 写真でさえ世界中飛び回ってるのに、国境だか州だかで区分する? すぐ隣の農家の為に、別のデータセンターと輸送ルートを作れってのか」

 「アランは勉強不足だ」とバッキーが口癖を言う。

 「僕の蜂ロボは限りなく蜂なんだ。分離させておくのが賢明。世界で全滅しそうなのはセイヨウミツバチ、生き残ってるのがトウヨウミツバチ。何ていうかな、保険だよ。グローバルにするんなら、どこかが駄目になった時、そこから潰れないように遮断する手段を作っておく」

 「うーん。それってプログラムの差じゃ駄目か?」

 「ダメ」

 「まいったな」

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