おまけ16 死なないと決めている私が死にかけた話
いままで散々「死なない」理由を書いてきた私ですが、
これは危うく死にかけたなあ、死ぬつもりはなかったんだけれど死ぬところだったなあという経験を最近しました。
詳細を書きすぎると真似する人がいそうなのでぼかして書きますが、まあ、始まりはダイエットです。8時以降は食事をとらない。10時以降は水分を取らない、という。
睡眠薬を10時前に無事飲んで、でも、日常のルーティーンの中で『あること』をしていないことに気づきました。
睡眠薬を飲んだ後は布団に入るだけ、というのが精神科でのお約束(入院時には徹底されること)ですが、なまじ自由があるだけに私はそのルーティンを外すことができず、決行してしまったのです。
そして、その結果、誰もいない一人のときに意識が飛びかけました。
我を失いかける前にとにかく水分をとろうと、でも、ダイエットにならなくなるってそう思ってしまってやめてしまったのも一因です。馬鹿ですね。睡眠薬を飲むと判断力も失われるのかも。
やばい、と思った時はもう手遅れ。人間ってこういう風にあっけなく亡くなるのかもしれないと本気で思いました。
ただ、飲んだ薬の量が少なかったからか、単に運がよかったからか彼岸に渡らず此岸に戻ってこれました。
幸い(?)家族にも誰にも気づかれず後処理も済みました……が、
思わぬ、時限爆弾を手に入れてしまったような。
「これ、一番楽に死ねる方法じゃない?」
「死にたい」けど「死なない」私の前にふいに現れた切符のようなその手段は
かぐわしい蜜のように私を誘惑するのでした。
まあ……死なないけれど。
でも、いつか、自分を縛るしがらみがすべてなくなってしまったら?
私の生を願う人が一人もいなくなったとしたら?
先のことはわからないから。わからないけれども。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます