裏設定小話
アクゼリートの神々について
はじめ――何も無かった。
神だけがそこに存在し、光も闇も大地も何もかもが存在していなかった。
一人きりだった神は、孤独に耐えられず6柱の神を生んだ。
最初に生みだしたのは大地の神。
世界の土台を成す、金色に輝く大地の神は神の威光を浴び、ただ静かに佇む。
何も無い
続いて生みだしたのは炎の神。
猛き炎は大地の神と合わさり、神を温める熱を齎す。
大地は炎に炙られ、原始の炎が誕生する。
3番目に生みだしたのは水の神。
炎に熱された大地に雨が降り、冷えた大地に原始の海が誕生した。
海に命の影は無く、海は海としてのみ存在していた。
次に生みだされた風の神によって、世界は初めて回り始める。
風は海と合わさり嵐となり、大地を削って山を作り、炎を巻き込み世界を今の形に形作る。
世界の土台はこうして作られた。
世界の土台は出来た。しかし神が求めた孤独を癒す物では無かった。
神は落胆して世界を闇で覆った。
その時闇から命の神が生まれた。
神に似た形を持った黒き神は、命の糸を紡ぎ、生命の絨毯を世界に広げた。
夜の営みに世界がにわかに騒がしく動き始めた。
神は喜び光の神を生みだした。
その時、全ての神が時を知った。
世界に昼と夜が生まれ、風が命を運び、海が命を育み、炎が命を温め、大地が命の寝床となった。
世界は最初の産声を上げた。
――アクゼリート創生神話――
『黄金の扉』ベファイトス
最初に生まれた大地の神。黄金色に輝く六角柱の姿をしており、尊大なしゃべり方をする。
大地、支配、創造、強化、安定、崩壊、構築、財宝、などの権能を持つ。
アクゼリート世界での認識は支配者層の神。王族、貴族などに信者が多く、ベファイトスを崇める神殿は銀行の側面を持つ事が多い。――神鉱教会。聖印は金で出来た六角柱。
作中で登場している『
『深淵なる赤』ミラ
2番目に生まれた炎の神。炎の形をした雄牛の姿をしており、理知的なしゃべり方をする。
炎に関する権能の他、戦い、知識、感情に関する権能を多く持ち、兵士や魔術師に信者が多い。
ミラを祀る赤蹄神殿は、学校、兵舎の側面を持っている事が多い。聖印は赤く塗られた蹄。
作中で登場している『
『流れ廻る青』ベイア
3番目に生まれた水の女神。小指ほどの大きさの
水に関する権能の他、治癒、分断、天恵、破壊、等相反する権能を持つ。
一般的には治療師の神として祀られており、人族国家では農業の神としても祀られている。――聖涙教会の聖印は青いドロップ型の石であれば何でも良いとされている。
作中で登場している『
『深緑の旅団』アーシーズ
4番目に生まれた風の神。緑色の小さな6弁の花とも草ともつかない植物の群生体。
纏まりの無い大勢の子供の神格を持っており、自由気ままにしゃべっている事が多い。
風に関する権能以外だと、旅、自由、機会、平坦、収奪、騒乱、伝達等の権能を持ち、旅人や冒険者、商人――そして盗賊等に信者が多い。
翡翠教会は商館の元締めを兼ねている事が多く、後ろ暗い側面も色々持っている事がある。
聖印は主に青銅のコイン。裏にアーシーズの6弁の花が刻印されており、盗賊同士の符丁に使われたりもする。
作中で登場している『
『黒の綴り手』グレアモル
5番目に生まれた闇の神。男神とも女神とも伝えられており、性別はアクゼリートではあやふやになっているが、一応女神。輪廻や生死を司る神で、正中線で別個に誕生と死を繰り返しているとされる。
九郎の前に現れた時は、白の部屋が『時を止めた場所』だったことで、老婆と幼女の姿をしていた。
元は夜と繁栄と命ある者の神で、農民達に多くの信者を抱えていたが、死神の側面を持っていた事で次第に人族国家で邪教とされ始め、聖涙教会に信者を取られていった歴史がある。獣人族や魔族の間ではまだ広く信仰されている。黒糸教会の聖印は三日月。
作中で登場している『
『白の理』ソリストネ
最後に生まれた光の神。2対4枚の白い翼が生えた歯車の形をしている。慇懃無礼な話し方でありながら疲れたサラリーマンのよう(九郎談)な声にも聞こえるのは、神々の中でも一番最後に生まれた神だからと言うのもある。
律理、法律、調停、その他世界のルールに関する権能を多く持ち、変化、運命、復讐、罪、罰等の権能も担当している。
人族国家では多くの国々で広く信仰されており、司法、立憲、行政を司る事から多くの権力が集まる場所になっている。聖輪教会の聖印は白い歯車。多くは銀製だが、権力者達は
作中で登場している『
☠ ☠ ☠
小ネタ
儀式魔法について
作中登場する儀式魔法は、本来多くの魔力を必要とする為、何十人もの術者で行っても数人死者がでることもある危険な魔法です。ただベルフラム以外は膨大な魔力を持つ為、一人でも使っていますが――通常だと自殺行為です。ベルフラムは九郎の『加護』があったために、何とか耐えられた形でした。
詠唱には決まった形は無く、魔力さえ足りていれば神の眷属に言葉が届けばいいので、各キャラごとに違っています。そのネタバレと言いますか裏設定です。
ベルフラム――彼女の儀式は『お願い』の意味合いが強い形で出ています。神の眷属の名前を知り、自分の思いを伝えて「手伝ってもらっている」形になります。なので眷属に意識を繋げるまでには多くの魔力を必要としますが、繋げた後では魔力をあまり消費しません。『原初の炎』アルケヴィータの名前を尋ねた事で
アルトリア――彼女の儀式は全てが
カクランティウス――彼の儀式魔法もアルトリアと近く、神の眷属を『招く』形で行われております。とは言えその形は自身の魔力を差し出す契約に近く、上二人よりも消費魔力も大きくなります。ミスラに「酒の席に誘うような言葉」と言われていたりもしていますが、口上としては一般的な部類。
作中で森林族の長、マグナルバが唱えたのもカクランティウスの口上に近く、彼の場合は生贄を差し出す形を取っていましたが、カクランティウスは自身を生贄に見立てていると言った形です。
ミスラ――彼女の儀式魔法の口上は『脅迫』に近い形で唱えられています。ベルフラムと同じような形なのですが、一方的な為に消費魔力は一番必要になっています。
神の姿を正確に唱え、「これだけ貴方を知っていますよ」と言って強引に力を引き出しているので、当然かも知れません。自身が光の魔法で自爆するので、魔力消費はどえらい事になる事が多く(ミスラのダメージは全て魔力換算されますので)、
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