2話〜幼馴染
大地は玄関のドアを開ける。
そこには幼馴染、小鳥遊雪たかなしゆきが悠然と立っていた。
「雪……おはよー」
大地はあくびをしながら言った。
「‥‥‥大地、もう朝じゃなくてお昼」
雪は大地に間違いを指摘する。
雪は大地が幼稚園児のころ近所に引っ越してきた。
引っ越してきた頃、雪は無口で無表情であり、周りの幼稚園児たちから気味が悪がられ、いじめられていた。
雪はいじめられていることを先生、親バレると心配されると思い、誰にも相談できずに一人で苦しんでいた。
いじめを見つけた当時の俺はいじめていた相手を叩きのめした。
そしてそれは先生に見つかり、なぜ叩いたりしたのかを問い詰められた。
雪はいじめられているのを親にバレてほしくなかったら言わなかったが、そのせいで助けてくれた俺が怒られるのはおかしいと思い、いじめられていることを包み隠さずに打ち明けようとした。
しかし俺は雪には何も言わせずに「むしゃくしゃしたから叩いた」などと言い、そのことは両親にも伝わったが、両親は全てを知っているかのように笑顔で「良くやったな」抱きしめられた。
両親の後ろには雪が微笑みながらこちらを見ていた。
その頃から雪はなぜか俺にくっついてきて、一緒に遊ぶんだり、二人の家族と一緒にキャンプにする仲になっていった。
そして時は経ち、高校生になった俺たちは同じ高校に行き、一緒に登下校したり、休みの日に一緒に遊びに行ったりしていた。
しかしこれを見ていた同じ高校の人たちからこの二人はデキている、と噂が立ち周りの男子には睨まれたり、女子にはキャーキャー言われたり、色々と目立っていた。
俺は何度も雪は幼馴染なだけだと言っても周りは信じてくれなくて、雪は恋人と思われてまんざらでもなさそうに噂を否定することもなく、そのせいで男子に襲われたり、色々苦労をしている。
確かに雪は綺麗だ。無口で身長も160cmないぐらいで、髪は黒髪のショートで肌も雪という名が相応しいぐらい白い。胸は少し小さいが、それでも100人中98人は美少女と答えるだろう!胸は少し小さいが!
「‥‥‥大地。今、失礼なこと考えた」
ジト目で大地を見つめてくる。
「そ、そんなわけないじゃないか!」
何故わかるんだ!?
「さ、さぁ!早速出掛けようじゃないか!どこに行きたい?」
「‥‥‥逃げた。‥‥‥まぁいい。今日はショピングモールに行って、服を買いたい」
「えーー、雪の買い物長いから嫌だなー」
大地はめんどくさそうに答える。
「‥‥‥何か文句ある?」
雪から何か見えないオーラを感じた。
「いえ!一切ありません!さぁ、出掛けましょう!」
大地はこのままだとまずいと感じ反射的に答え、雪の手を持ちショッピングモールの方向に向かった。
手を握られた幼馴染の頰は赤く染まっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます