ネムリヒメ

春風月葉

ネムリヒメ

 あぁ、今日が終わる。


 コマ送りの日常を終えて、疲れたなぁと溜め息を吐き、弱音を溢し、涙を流してみた。

 感情の渦は止まることを知らない。

 泣いて、泣いて、泣いて、また少し疲れて涙も枯れてしまって、気がつけば眠りについていた。

 眠れない夜ばかりだったあの頃よりは良いのだろう。

 このまま明日が来なければ、なんて思いながら朝を迎える。

 夢の世界は優しさに溢れていたのに、現実は冷たく無機質なだけだった。

 せめて私が眠るまで、誰かが温めてくれたなら。

 そんな夜ばかりを期待する自分が嫌で、また私は夢へと逃げる。

 今日も夢の世界は温かい。

 私は次の朝を知らない。

 眠りは深く、深く、私を夢の中へと引きずり込み、私は夢に溺れた。


 暗いアパートの一室、一人の男が冷たく横たわる女性を抱え込み泣いていた。

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ネムリヒメ 春風月葉 @HarukazeTsukiha

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