第4話祭り
「もう時間だ。行かないと。」
「待ってよ‼︎」
勝手に口が開いていた。
でも彼はそこにはいなかった。鈴の音も聞こえないし、空にあった赤い月もない。
それから何もない、ごく普通の日常が過ぎていった。
赤い月なんてなかった、あの不思議な少年なんて元々この世に存在しなかったように私を錯覚させた。
日常が非日常に変わったのはあれから2週間くらい経った日だった。"2週間"というのは定かではないが、そんな感じがした。
今日は私の住んでいる京都で祭り"祇園祭"の日だった。
私は友達と浴衣を着ていくと約束してしまったので、おばあちゃんに手伝ってもらいながら浴衣を着た。
(ちょっと暑いけど、せっかくだしいいかも…)
私の浴衣は紺の生地に白い大きな花が描かれているものだった。
「そろそろ行くねー」
おばあちゃんにこえをかけて家を出た。
赤い月の下で今日も君は微笑む 鹿目 文華 @hazuki812
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。赤い月の下で今日も君は微笑むの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます