第6話 冒険フェイズ④「あしざきおにいさんは悪くない」

●第2サイクル シーン2 マスターシーン「動物園のあしざきおにいさん」

GM:それじゃあ、マスターシーン。二人は過去の光景を幻視するよ。


「はぁ……。今週でお前たちともお別れか……」

 檻の前で、一人の男性がため息を吐いた。

 ここは、片田舎にある小さな動物園。客足が遠のいてしまったせいで、本日を以って閉園を迎える。

 閉園前の一週間は特別開放となっており、久々に多くの人が動物園に溢れていた。


 そんなたくさんの人を眺める、いくつもの「目」。

 檻の中の動物たちは、溢れかえる人たちを眺め、何を思うのだろうか?

 男は空を見上げ、「何か」に祈りを捧げた。


 ――「できるなら、この今が永遠に続けば」と。


 その刹那。天から降ってきた星は男の心の闇を喰らい、そして世界を絶界へと塗り替えた……。


GM:幻視はこれで終わりだね。ここで、黒の領域にインガが1つ追加されるよ。

サーベル:うわ、勝手に増えた!


 黒:2 赤:3 青:2 緑:6 白:3


ぼうし:「えーっと、つまりどういうことなんでしょう?」

サーベル:「つまり、あしざきおにいさんが、流れ星にこの動物園が存続することを願ったら、黒い星がそれに応えてこの絶界を作り出したってこと……?」

ぼうし:「ええっ! あしざきおにいさん、そんなことしたらダメじゃないですか……!」

サーベル:「でも、あしざきおにいさんは悪くないよ! おにいさんは、この動物園が永遠に続くように願っただけなんだし……。それに、黒い星がそれを叶えようとしているだけなら、そんなに悪いことじゃない気がする」

ぼうし:「どうしてですか?」

サーベル:「だって、この動物園が永遠に続けば、ずっとみんなと仲良く平和に暮らしていけるんだよ……?」

ぼうし:「なるほど……。でも結局、ボクが何者かはわからないままなんですね……」

サーベル:「もしかしたら、ぼうしちゃんが黒い星なのかもしれない」

ぼうし:「えっ」

サーベル:「あなたの正体は、『黒い星』なの……?」とぼうしちゃんをじっと見つめるよ。

ぼうし:「や、やだなぁ。まさかまさか、そんなわけないじゃないですか〜」


GM:相変わらず胡散臭いなぁ(笑)。うん、そんなところでシーンを切ろう。

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