第7話ー多分バイオハザード実況みたから
その時僕は、東京の大きなビルの前で大きな液晶画面(語彙力)を見上げていた。といっても、街中ではなくオフィス街のような緑のある場所だ。
見上げる掲示板には一位の文字が馬鹿でかく書かれていて、同時に女のキャスターがつらつらと記事を読み上げていた。
「日本で、映画の興行収入ランキングが発表されました。一位は、世界で絶大な人気を誇るシリーズ「ポケットモンスター」。その最新作です」
タイトルが何かあった気がするが、覚えてはいない。
「今回の「ポケットモンスター」では、二万を超えるシナリオが用意され、総勢684人の作家が制作に関わっています」
ニュースキャスターが読み上げる文章は奇怪で、一瞬頭で理解できなかった。続いてニュース映像が切り替わる。
「今回は、六番目のシナリオを手掛けた作家さんに取材することができました。それでは映像をご覧頂きましょう」
誰だよ、と思いつつも画面に見入っていると、肌の黒いおばあちゃんが画面に映る。ひしゃげた顔の外国人で、ターバンを巻いた中東風だ。撮影は車の中で行われており、マイクだけが見えている。
視点はレポーターへと移る。VRを想像してくれると分かりやすいかもしれない。
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」
意味の分からな言語を喋り、取材は終わった。正直、何を言っていたか分からない。
「はい、じゃあお疲れ様でーす。このまま引き上げましょう」
スタッフが言うと、レポーターは頷く。
「いや、駄目じゃ」
急に喋りだした日本語を喋りだしたおばあちゃんに、レポーターは驚生きながら返した。
「駄目なものは駄目じゃ。このまま私の車に乗っていなさい」
そういって勝手に車を発進させる。ついたのは航空の駐車場だった。
「じゃあ、そろそろ……」
リポーターが口を開けば。
「いや、おぬしらは呪われておる。だから、まだ行ってはならぬ」
と袖を引く。
「……流石にこの人やばい人じゃないか?」
「そうだな。隙を見てにげだすか……」
スタッフとリポーターは結託し、空港へ止めてあった自分の車の元まで逃げた。
(ちなみにこの取材をしている場所はどこだわからない)
「ふぅ、変なばぁさんだったな」
いいながらレポーターが自分の車のトランクを開けた。
瞬間。
「うわぁ!」
トランクの中には軟体動物のように器用に入り込んだ男がいた。血走った双眸がこちらを向いて、胎児のように丸まったまま動かない。
呪われていたのかは定かではないが、ただ怖かった。
夢日記 麻上篤人 @031-2
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