第3話-インディ・ジョーンズ。又の名をジャックバウアー

 場面は、顔は知っているけど名前のでてこないおっさんと、逃げるところから始まりました。

「おいっ、急げ!」

 おっさんに手を引かれた僕は、必死に走ります。

 どうやら何かに追われているようです。

 その時、脳内にある音楽が流れます。

(てってれってーてっててー♪)

 言わずと知れたインディ・ジョーンズのテーマ曲、〖レイダース・マーチ〗です。

 どこかに違和感を感じながら逃げ込んだ先は母校「S小学校」でした。

 二階にある家庭科室に逃げ込み、おっさんは鍵を閉めました。

 そこで気づきました。

「こいつジャックバウアーじゃん、っべ~」(俺ガ〇ル矢部君風)。勿論声には出しません。

「ここまでくれば、大丈夫だ」

 本物だぁ。と夢なのに僕は思います。

 そこへ、銃声が響きました。

「ここにいるのはわかっている! 大人しく出てきやがれっ!」

 数人の足音が聞こえます。革靴をカツカツを鳴らす音に僕が震えていると、ジャックバウアーは僕に覆いかぶさりました。

「おおー……」

 鈍感主人公に出合い頭惚れる〝ちょろロイン〟の如く、僕は頬を赤らめました(キモイ)

 そんな感動に浸る暇もなく、家庭科室の扉が銃でぶち壊されました。

「ここだ。撃て!」

「ちっ!」

 僕とジャックバウアーは裏の出口から逃げます。

「いたぞ。コッチだ!」

 ですが、追手に既に先回りされていました。

 ジャックバウアーは意を決したようにテラスに出ました。

 S小学校は二階と三階に廊下が無い代わりに、テラスがあります。

「おいっ、コッチだ」

 ジャックバウアーは外にある、パイプを伝って下に降りようとしました。

 すると、またあの音楽が流れ始めます。

(てってれってーてっててー♪)

 見れば、一台のオープンカーが向かってきます。

 そこに乗っていたのはインディ・ジョーンズでした。

「……やっぱり、逆だろ」

 そんなツッコミが通じるわけもなく、ジャックバウアーはあっという間に捕らえられました。

「さあ、君も早く降りるんだ」

 ジャックバウアーを捕まえながら、ジョーンズは言います。ジャックバウアーは掴まったコンビニ強盗の様に腕を組まれ、地面に伏していました。

 後ろから追っ手が僕に迫ります。

「クソッ!」

 意を決して飛び降りたとこで、目が覚めました。


 ――以上です。

 おっさんが実はインディジョーンズではなく、ジャックバウアーだったんですね。

 道理でおかしいと思ったわけです。

 では、また。おやすみなさい。


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