『ミッドサマー』 ホラー好きが「二度と見たくない!」と言い出す狂気!

 妹が仕組んだ一家心中によって、天涯孤独となった主人公。


 しかし、カレシはスウェーデンで夏至ミッドサマーに行われるお祭りに行くことを、主人公に黙っていた。

 表向きは夏至祭にまつわる論文作成。

 裏では、いわゆる「オフパコ」も旅行の内容に含まれていたからだ。

 

 家族を失って精神的に参っているところに、カレシの裏切り。

 言い争いになった結果、彼女も夏至祭に向かう。


 そこは、現実から隔絶された、いわゆる「カルト村」だった。


 そこでは、バイキング時代から脈々と続く、独特の風習が残っていたのである。


 

 いわゆる「サーッ!」が、公然と村人全員に行われる。

 貧しかった頃の習慣が残っているため、口減らしのため……。

 謎だらけのセックス儀式。


 そして、共感覚。


 主人公とカレシの関係性も微妙だ。

 カレシは、邪な目的でこの地に来ている。

 そのせいで、妙によそよそしい。

 言葉も遠慮がちだ。


 そんな距離を置かれている中で、カルト村は優しく迎えてくれる。




 何がやばいかというと、

「名だたる映画評論家、映画系ユーチューバーたちが、こぞって阿鼻叫喚の様相を呈した」

 ことだ。

 

 

「考察すらしたくねえ!」

「内臓が飛び散ってくれたほうがまだマシなレベル」

「サイコパスが作ったサイコパス映画なんて求めてないよ!」


 との声が上がる。


『ムカデ人間』をツマミに酒を飲める人ような猛者たちが、揃いも揃って苦痛で音を上げたのだ。


「Jホラーのような、心霊的に来るやつのほうが苦手」

 って人はいたが、それでも平気とは言えない。

 二回目を見ようと思わないとコメントしている。



 中にはハマっちゃて

「ディレクターズカット版まで見に行ったよ! キャラクターに感情移入できて、内容をより深く理解できた!」

 という人もいるが、


「精神が不安定のときは、絶対に見るな! 狂気に取り憑かれる!」


 と、誰もが口をそろえる。




 ちょいネタバレをすると、「牙をむく優しい世界」。

 暖かく迎え入れてくれるが、そこは狂気の世界だった。


 ずっと夜が来ない。闇が来ない。


 九日間、延々と太陽が照り続ける。


 それはそれで、絶大なストレスがかかる。

 緩急の「緩」状態ばかりが続くのだ。


 映画コメンテーター「有村昆」さんいわく、


「暗い状態が続くマイナスの状態であるのが、本来のホラー。だが監督は、明るい光景ばかりが続く【プラスのホラー】を発明したのだ」


 と考察している。


 個人的に思うのは、

「見た人の感想を見たほうが楽しめる系」の、

「考察リサーチ用の映画」

 という評価を下した。


「ワケがわからない」というほど複雑じゃない。

 でも、意味を理解したくない。


 面白いという人の意見もわかる。

 しかし、自分はそっち側にいたくない。



 映画マニアのコメントからは、そんな悲鳴が垣間見える。


「数多のガチ勢映画オタクが腰を抜かしているさまを、楽しむ」

 作品、とも言えるだろう。


 え、それでも怖い?


 でびでびでびるくんが同時視聴アーカイブ残してくれてるから、ソレで見れば多分怖くないよ!

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