『ロマンティックじゃない?』 別世界では敵同士だったのに

 ロマンスコメディの世界に迷い込んだピザ女の話。

 

 幼い頃からピザだった主人公は、母から「デブのお前なんかにロマンスは来ない」と叩き込まれてきた。


 会社でもそれなりの地位にいるのにお茶くみと間違えられる。

 親友や男友達もいるけど、心はぽっかり穴が空いている。それを仕事で埋める毎日。


 帰り道、主人公は強盗に襲われて意識を失う。


 目が覚めると、NYの街がカラフルになり、男たちはみんな主人公を慕うようになっていた。

 まるで、自分が憧れていたロマンティック・コメディに。


『ラスト・アクション・ヒーロー』かな?



 主人公は「こんなの自分のいる世界じゃない!」と、もとに戻る方法を考え出す。


 すると、イケメン上司がリムジンに乗って主人公に言い寄ってくる。嫌なやつだったはずなのに、人が変わったようだ。

 演じるのはリアム・ヘムズワース。クリス・ヘムズワースの弟だ。

 こんなイケメンに言い寄られ、メロメロにならないわけがない。


 しかし、主人公はずっと友達と思っていた男性を意識し始める。


 果たして、彼女の恋の行方は?

 

……と、普通はなっていくはず。

 しかし、本作はどちらかというと


「彼女が本当に愛しているのは?」

 というのが、最大のテーマになっている。


 バカバカしい世界だが、扱っているテーマは実に深いものがある。

 誰だって、心のなかにこういった勘定があるに違いない。


 よくある「ブスがイケメンに言い寄られる」話とは、一線を画す。


 一般的に受ける話とは、違うかもしれない。

「イケメンサイコー!」という人には、受け入れがたいラストかも。


 だが、彼女が掴みたい幸せはそれではないのだと、映画を見て感じ取れるはずだ。



 ちなみに、主人公はレベル・ウィルソン。

 主人公の男友達は、アダム・ディヴァインである。


 この二人といえば『ピッチ・パーフェクト』だ!

 本作は、ファット・エイミーとバンパーの共演なのである。


『ピッチ・パーフェクト』で主人公と共演したときは、クズでいけ好かない男を演じていた。

 が、本作では超絶イイヤツの役である。

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