『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 イモータン監督

 イモータン・ジョーなるカルト団体に捉えられ、彼らの血液供給袋として生かされることとなった主人公マックス。

 ジョーの妻に対する仕打ちに激怒した女隊長は、彼女たちを自分の故郷へ連れ帰ろうとした。

 その過程で、マックスは彼女らと同行することに。



 度重なる撮影中止によって本映画への興味をなくしたメル・ギブソンに替わり、主人公マックスを、トム・ハーディが演じる。

 彼はあの『ダークナイト ライジング』のベイン!

 どうりで、あの拘束具のようなマスクを付け慣れているわけだ!



 映画は、何もかも狂っている。


 ジョーが支配する都市にある滝から流れ出るのは、なんと母乳!


 ホルスタインのように母乳を集めて、底辺階級に分け与えるというのだ。

 底辺層は滝から流れる母乳を、みすぼらしいお椀で受け止める。それが生活の糧なのだ。


 また、ジョーは『ゴブリンスレイヤー』のゴブリンのように、自分の子どもを産ませるためだけに女性をかこっている。だが、愛着と言うよりドレイだ。



 終盤、マックスは愛車を魔改造されたモンスタートラック集団に追っかけ回される。

 なんかでも圧巻なのが、お神輿みたいなステージ付きトラックでギターをかき鳴らす包帯まみれの男だ。

 あのギター男がなんの役に立つのか、何度見ても全くわからない。


 こんな頭のおかしい映画を、かつて初代からずっと本シリーズを手掛けてきたジョージ・ミラーが撮るというのだから。

 真のイモータン不死身は、ミラー監督なのかも知れない。

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