『シンクロナイズドモンスター』 僕らの世界がアル中に侵略されてるゾ
アル中が世界を壊す話。
重度のアル中で失職・失恋した主人公は、田舎に引っ込む。
バーを営む友人のツテで、ウェイトレスの職を得た。
だが、アル中は治らない。酔うと記憶をなくす。
引越し先でテレビを頼んだことさえ忘れていた。
前職がウェブライターであるにもかからわず、怪獣がソウルで暴れていることさえ知らなかった。
でかいテレビを付けると、文字通りソウルで怪獣が突っ立っていた。自分のクセを真似しながら。
不審に思った主人公は、友人と一緒に公園へ。
どうも怪獣は、ここアメリカの公園からソウルとつながっていて、自分がここで動くと怪獣も現れるとわかった。
『グリッドマン』のアカネくんが、喉から手が出るほど欲しかった力だろう。
バカバカしい設定だが、シナリオはわかりやすい。
多数の死者を出したことを後悔した主人公は、友人を頼って韓国語が分かる人を探し出した。
怪獣の身体でハングル文字を書き、謝罪の言葉を伝える。
この段階で、主人公が善人であるとわかる。
グリッドマンのアカネくんでは、こうはいかないだろう。
だが、友人もアル中気味で、主人公が誰かといい関係になるとヤケになって自分も怪獣に。ソウル市民にちょっかいをかけ始める。
その後すぐに反省するが、少しでも嫌なことが起きるか酒が入るかすると豹変してしまうという、典型的なダメンズだ。
怪獣映画としては物足りないので、特撮好きには勧めない。
どちらかというと、本作のメインテーマは「ダメ女の厚生」だ。
主演もなんと、アン・ハサウェイという超スターだ。
彼女は当時、スランプに陥っていたとか。
どうもこの映画、ゴジラを手掛ける東宝とモメて、
「東京からソウルに、舞台が移った」
という経緯があるらしい。
B級バカ映画じみたシナリオの中にも、骨太なドラマがある。
マイナスに振り切れたマッチョイズムに抵抗しようとする、タフな女性像などがあげられる。
そちらを評価したい。
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