『処刑人II』 父は中二当時から中二だった

 前作から八年後。殺し屋兄弟二人は隠居生活を送っていた。

 しかし、神父が自分たちと同じ手口で殺されたことで、彼らは再び闇へ身を投じる事に。


 ウィレム・デフォーの出番はなく、死んだことになっている。

 代わりに、FBI女捜査官が彼らの足取りを追う。


「彼らが映画のマネをして、ことごとくドジを踏み、ヘマをやらかす」

 ところまで、的確に推理する。

 どんだけ凄腕よ。


 だが、兄弟はメキシコ人を仲間に入れて、自分たちを消そうとするマフィアを返り討ちにしていく。


 だが、ギャング以外に謎の黒幕が動いていることもわかる。

 

 小難しいストーリーラインなど皆無で、

「自分の周り以外は基本敵」

 と思っていれば楽しめる。


 ひたすら「銃撃戦と黒ジャケットカッケー!」なお話だ。


 前作最強の殺し屋にして処刑人兄弟の父親、「イル・ドゥーチェ」の過去も語られる。


「ホルスター代わりのジャケット」という中二全開の衣装は、彼が若い頃に開発したお手製だった。

 彼は革職人の息子で、立ち退きを強要し、父を殺したマフィアに対抗するために作ったのである。


 これがかっこいいのよ!

 撃って弾がなくなったら捨てるスタイルは、昔に編み出した戦闘法だったのである。

 ほんで、父は中二心を持ったまま、大人になっちゃった。


 本作は、処刑人父ドゥーチェの物語と言ってもいい。

 ドゥーチェと因縁を持つ相手が敵として現れる。

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