『イエスマン “YES”は人生のパスワード』 ノーと言えないジム・キャリー

 カール・アレン(ジム・キャリー:山寺宏一)は、友人の誘いを断ってレンタルビデオ屋にいた。

 映画好きという設定である。

「ソウ」や「ハリポタ」を家で見ていたり、同僚が「300」のコスプレで家に上げてくれたり。



 しかし、友人に見つかり、飲み会へ。

 友人は婚約するという。

 カールは近くのテーブルで飲んでいた元妻と出くわし、気まずい空気に。


 銀行員の仕事はクビ間際。

 友人の婚約パーティはすっぽかし、愛想を尽かされる。


 意気消沈しているところを、知人から「イエス」というセラピーに誘われる。


 興味本位で入ったいかがわしいセラピーは、「イエス以外の価値は認めない」というもの。


 セラピーの後、彼はイエスの誓約を実行に移す。

 だが、車に乗せて上げたホームレスが長電話したせいで、ケータイのバッテリーは0に。

 おまけに森の中でガス欠に。



 

 スタンドまで降りてきたカールは、ポラロイドカメラでの自撮りが趣味な女性、アリソンと知り合う。


 カールは森にある車までアリソンの原付に乗せてもらい、ツーショット写真とキスをゲットする。


 会社では昇進を言い渡された。


 ひょっとして、運が向いてきた? 



 その後も、友人への詫びで奢らされる。

 DDRで『華爛漫~Flowers~』を踊る。



 ノーと言わない少額融資は上司の眼鏡にかない、中東の嫁をもらい、若者の自殺を未然に防いだ。


 彼女ともうまくいっている。嫁がいるのに。


 

 イエスマン最高!


 

 ただし、それはあくまでも「誓約上のイエス」である。


 彼は「ノーというと罰が当たると思い込んでいるだけ」なのだ。


 前にも、カールは老婆から、棚を直したお礼に「口での処理」をされそうになる。

 カールは「ノー」と断った。

 その反動で災いが降りかかったため、「イエス」を貫くことを誓ったのである。


 

 話が進むウチ、彼は

「ノーと言えなくなっただけ」

 なのか、

「心からイエスと言っているのか」

 が、自分でも判別できなくなっていく。


 それが、取り返しの付かない不幸を招いてしまう。


 このように、「誓約を背負わせて強制する」ことで、本作は面白さを引き出している。

 どんどん主人公を窮地に追い込んで、乗り越えさせるのだ。

 演者がジム・キャリーなので、その面白さも膨れあがる。


 それによって、終盤で「本当に大切なモノに気づく」という効果が引き立つ。

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