『ペット・セメタリ-』 「ホントは『ペット・セマタリー』というタイトルなの。つづりは間違ってるけど」

 医師のルイスは、妻レイチェル、娘エリー、息子のゲージ、ネコのチャーチルと共に、田舎町へ引っ越してきた。


 隣人のジャドから、ペット霊園へ案内される。

 

・この土地の道路は、あまりに車の往来がひどい。

・そのため、ペットが車にひかれて死ぬ事故が後を絶たなかった。

・ペット専用の霊園まで作られるような場所である。


 ルイスはジャドから、そう教わった。

 

 引っ越して早々、ルイスはパスコーという若い患者を看取る。

 パスコーはルイスの夢に出て「墓の向こう側へは近づくな」と警告した。

 自分を救おうとしてくれた恩だという。


 レイチェルが子どもを連れて実家へ泊まりに行った後、エリーが大事にしていたネコのチャーチルを事故で死なせてしまう。

 ジャドから、「動物霊園の向こう側に行こう」と誘われる。


 パスコーの忠告を無視して、ルイスはジャドの指導するまま、チャーチルの遺体を埋めた。


 後日、なんとチャーチルが帰ってきたではないか。

  

 そこは先住民が使っていた霊園で、死者を蘇らせる力を持っていたのだ。




 スティーブン・キングの映画の中でも、屈指の人気を誇る作品。




 Netflixで視聴。

 吹き替えはフジテレビ版である。

 主人公の声優をつとめた大滝進矢さんの代表作は、「ザブングル」のジロンである。



「Pet Sematary」とは、「ペット霊園」のスペルミスである。

 正しくはCemetery。

「子どもにペットを埋めさせる」

 という体で、看板も子どもに書かせたという設定。



 原作者ですら発表を躊躇わせたという、悲しくも恐ろしい作品だ。


 2020年1月17日に、ケビン・コルシュ& デニス・ウィドマイヤー監督によるリメイク版が日本で公開された。


 リメイク版は、見た人も多いのでは?


 

 本作の面白いポイントは、パスコーがトリックスターとして扱われている。


 不注意で、息子がトラックにひかれて死んでしまう。

 自暴自棄になった主人公は、息子を霊園裏にある先住民墓地へと埋めに行った。


 レイチェルの実家にいた娘のエリーは、レイチェルに父の危機を夢で知らせる。

「パスコーがそう教えてくれるのだ」と。

 

 

 半信半疑ながら、レイチェルはエリーの警告通り、夫の元へと急ぐ。

 


 レイチェルにもパスコーが見えるようになり、度々助言をするように。

 後部座席で微笑んでいたり、レンタカーの手配をしたりと大活躍である。


 彼の存在は、悲劇的な展開が続く本作の清涼剤的役割を果たしている。

 パスコー的な人物がいなければ、血なまぐさい映画となっていただろう。

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