『22年目の告白 -私が殺人犯です-』 殺人王子 

 阪神大震災時、五人の男女が殺害された。

 被害者の中には、主人公の先輩だった刑事も。

 懸命の捜査も空しく、事件は時効を迎えた。

 その後、真犯人を名乗る男性が、顔出しで暴露本を出版した。


 韓国映画のリメイクだとか。

 ただ、日本と法律が違うので、アレンジされているらしい。


 犯人である曾根崎は、四四歳という設定である。

 だが、曾根崎を演じる藤原竜也は、当時三五くらい。

 少年犯罪なのか? と思わず疑ってしまった。


 曾根崎の本はベストセラーとなり、ファンも付く。

 許せないという人もいる反面、彼をカッコいいからと追いかける女子まで現れ始めた。

 この辺りが、実にインモラルに描かれている。

 ノリが、監禁王子の時と同じだったので。


 命を狙われながらも、曾根崎は遺族の元へ出向き、サイン会も開く。会場で、実際に撃たれかける。


 報道番組の司会を務める一人のジャーナリストが、彼に独占インタビューを試みる。

 番組内で彼は、曾根崎が犯人なのか、疑問を抱いていた。

 手記には、重大な事実が書かれていなかった。

「実はもう一人、被害者がいるのだ」と。


 インタビューの後日、真犯人を名乗る人物から、番組にコンタクトが。

 真犯人という人物は、自身が独自に撮影した映像を見せる。

 もう一人の被害者は、主人公の妹だった。


 勘のいい人なら、「あー」という展開である。

 ここまでされたら、顛末はこうだろうと、なんとなく匂ってくる。

 それを踏まえても、この映画は実にスリリングで、面白い。

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